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芳華(ほうか)

「芳華」とは日本語で<青春時代>と訳される言葉である。1970年代の文化大革命(1966~1976)時代に、歌唱・舞踊・演劇などで、人民解放軍の将兵の士気を高める目的の部隊である<文芸工作団=文工団>に入団した若きエリートたちの生活を描いた群像劇であり、青春への回顧!というノスタルジーに溢れる秀逸な内容の作品となっている。

 

1976年、誰からも尊敬される文工団の模範兵リウ・フォン(ホアン・シュアン)が、舞踏班へ入団出来た17才の少女ホー・シャオピン(ミャオ・ミャオ)を連れて隊に戻ってきた。実父が反革命の罪をきせられ労働改造所に収容された罪人に娘として厳しい生活を強いられたシャオピンにとって名誉な出来事だったのだ。しかし、シャオピンはある失敗で団の少女たちの苛めにあうことになる。そんなシャオピンを励ますフォンに彼女は憧れの感情を持つ。だがフォンが密かに想いを抱いていたのは文工団一の美女で歌唱班のリン・ディンディン(ヤン・ツァイユー)だった。そんな人間模様を冷静に観察するダンス班で文章力のあるシャオ・スイツ(チョン・チューシー)もラッパ班の若者が好きだったが、文工団の規則で仲間内の恋愛は禁止であり、いずれの団員も心の中で想う毎日だったのだ。厳しい訓練の中、それぞれの分野で腕をみがく若者たちは解放軍への慰問をつづける。しかし時代の波は、そんな若者たちへも容赦なく襲いはじめた。毛沢東の死による文工団の解散への噂、そしてベトナムとの衝突による中越戦争!の勃発。文工団への絶望で退団したシャオピンは看護兵として中越戦争に従軍する。そしてディンディンへの愛の告白をしたフォンも強制退団させられ、兵隊として戦争に赴くことになるのだか・・・。

 

中国が最も混乱し疑心暗鬼の生活を余儀なくされた文化大革命の時代のさなかに、青春の盛りをむかえた文工団の若者たちのきらきら輝くような青春時代へのノスタルジックな想いを活写したこの作品は、フォン・シャオガン監督の文工団時代への切ない思い出が詰まった秀逸な群像劇となっていた。若者たちにとって、様々な窮屈な規制や時代の大きな波に翻弄されながら、それでも若さの持つ弾けるような生活だけは、誰にも奪うことの出来ないのだ!という叫びが見るぼくらにひしひしと伝わってくる青春劇となっていたのだ!
ぼくのチケット代は、2400円出したい作品となっていました。
星印は、4ッ半さしあげます。


[ 4.5 点(5点満点)・ 2400 円(1800円基準)] 5点満点中4.5点 2400円
衛藤賢史のシネマ教室について…

“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。

星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)

【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動

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