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アメリカン・ハッスル

1979年、大物議員かなりの人数が、収賄容疑で摘発されアメリカ中を驚かせた、FBIのオトリ捜査<アブスキャム事件>をベースにした作品であり、今年度のアカデミー賞10部門にノミネートされた話題作である。
ハゲを鬘で隠した中年肥りのアーヴィンは、天才的詐欺師である。変わった性格の若い妻ロザリンとロザリンの連れ子の息子と暮らしていたが、シドニーという聡明な女性と出会い熱烈な恋に陥り2人でコンビを組み、次々と新手な詐欺を成功させる。このコンビに目をつけた変人のFBI捜査官リッチーは、免責を条件にオトリ捜査に引き込む。最初の話は、仲間の詐欺師をオトリ捜査で逮捕するという小さな捜査だったのでアーヴィンは承知したのだが、アラブの大富豪の投資会社がアメリカで儲け話を探しているという壮大なホラ話のアーヴィンのアイデアにリッチーは興奮してしまい、政治汚職の摘発の手段として捜査方向を勝手に変更してしまう。渋るアーヴィンだが免責されるためには言うことを聞くしかない。
ターゲットはカムデン市のカーマイン市長。彼は町の発展のためカムデン市にカジノを開設しようと画策していた。カジノ開設のライセンス取得に協力してくれる議員の抱き込みへの賄賂、カジノ開設への資金などを偽のアラブの投資会社が受け持ちたいという甘い話をカーマイン市長に吹き込む役割をアーヴィンとシドニーが受け持ち、市長に接近する。人のいいカーマインはアーヴィンの話をすっかり信じ込み、話はトントン拍子に進展し、利権にあやかりたい議員やマフィアなどが群がってくる。
それぞれの思惑を秘めた政治汚職の幕が切っておとされたのだが・・・・。
実際にあった事件をベースにしているので、アメリカの人々は内容をよく知ってあり面白く見たと思うが、まったく知らなかった人が多い日本人の観客には面食らうシーンもかなりある。例えば最初のシーンでアーヴィンが鬘を入念に装着する場面などの長さなど、これは何かの伏線なのかなど余計な考えが入ったりする(実際は映画のモデルである詐欺師のワインバーグの風貌がそうだった)遊び的シーンの導入。そうなると感情移入がなかなか入りにくいので、以降の流れについていけない危険があると思う。
ドラマの流れもオトリ捜査から入り、そこからはじめの話に戻るなど曲折があるので注意して見る必要もある。少しクセのある演出に入り込めるか、入れないかによって、この作品の評価は分かれそうな感じがする。
ぼくのチケット代は、2,100円出してもいいと思う作品でした。
星印は、3つさしあげます。


[ 3 点(5点満点)・ 2100 円(1800円基準)] 5点満点中3点 2100円
衛藤賢史のシネマ教室について…

“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。

星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)

【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動

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