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「県内企業の人材育成及び職場定着化に向けた取り組み状況」について

今回は、大銀経済経営研究所の河野祐子さんにご出演頂きました。

■大分県内の最新経済動向について

まず、個人消費については、大型小売店販売の動向は緩やかに持ち直しており、乗用車販売、住宅着工の動向も横ばい圏内推移しています。また公共工事や観光の動きは持ち直しの基調にあることなどから、現在の県内経済は、緩やかに持ち直しています。

■今日の内容

少子高齢化による労働人口の減少に伴い、県内企業の人手不足が深刻になりつつあります。2月時点の有効求人倍率は、1.49倍と過去最高を更新していますが、雇用人員について「人が足りない」と感じる企業の増加が続いています。また離職率についても、全国データでみると、20代では、就職後3~5年以内に退職する人が2~3割というデータもあります。このような中、県内企業においても、人材確保自体が厳しく、従業員の人材育成や離職を防ぐ職場定着化が重要となっています。今回は、当研究所で実施した「人材育成や定着率向上に関する」アンケート調査結果をもとに、県内企業の人材育成及び職場定着化に向けた取り組み状況についてお話します。

■自社の人材育成の取り組みとその課題

人材育成について具体的にどのような取り組みをしているか尋ねたところ、「定期的に集合研修(講習会・研修会)を実施している」が最も多く約4割、次いで「自己啓発を推奨している」、「OJT実践をルール化している」がともに約3割となっています。一方で、人材育成について「特に何もしていない」という回答は約2割でした。また、これらの人材育成の取り組みについては、回答企業の7割が不十分と感じており、取り組む上での課題についてもきいています。特に課題と感じていることは「育成体制の未整備」「育成時間の余裕がない」「指導・育成の人材不足」の3項目です。人材育成の場所(機会)・時間・ヒトについての課題が大きいようです。

■離職の状況

直近3年間の若年者(40歳未満)の社員の離職状況についてたずねたところ、「離職者はほぼいない」が約5割、「離職者が減る傾向にある」が2割と、県内企業は比較的人材の定着化が図られていることがうかがえます。一方、「離職者が増える傾向にある」は2割あり、業種別では運輸業が「離職者は増える傾向にある」が高くなっています。さらに、若年者(40歳未満)の退職理由として多いのは、「個人的事情」が約4割と最も多く、次いで「給与・処遇に対する不満」が2割強、「社内の人間関係の悩み」、「上司や従業員とのコミュニケーション不足」がともに2割となっています。

■離職を防ぐ職場定着の取り組み

人材の職場定着に向けて①現在取り組んでいること、②今後取り組みたいことのそれぞれについても聞いています。①現在の取り組みの中で最も回答が多かったのは、「資格取得支援」で約5割の回答がありました。次いで、「有給休暇取得の推進」、「社外セミナーへの参加促進」、「労働時間の見直し」がともに約3割となっています。次に②今後取り組みたいこととしては、「給与体系の見直し」で約3割の回答がありました。そして「人事評価基準の明確化と定期的なフィードバック」、「従業員に対する適正な昇進やキャリア形成」、「社内研修制度の充実」などが約2割となっています。現在は、業務に必要な有資格者の増加策のほか、有給休暇取得の促進や労働時間などの働き方の見直しが中心になっていますが、今後は従業員の待遇改善及びキャリア形成により人材育成を図りたいとする意向が把握できます。

■まとめ

今後、労働人口が減少し続ける中、慢性的に人手不足が続くことが予想されますが、そのような状況において、各企業の事業活動の質の維持には、従業員の専門性向上あるいは職域拡大を図る人材育成、職場定着化が必須となってきています。しかし、現状では、人財育成体制構築にかける時間的余裕や指導する側のノウハウ・人材不足を要因として自社の人材育成に課題が多いと感じているようです。職場定着化に対する企業の取り組み(現在、今後)では、資格取得支援、働き方の見直し、給与等の待遇改善、キャリア形成といった項目を中心として、多様な取り組みに関心がむけられています。各企業とも人材力アップや仕事へのモチベーションに働きかけていきたいという意欲を感じる結果といえ、職種や環境にあった方法で人材を磨き、多様な人材で生み出されるサービスや技術力によってさらに企業活動が活性化するような好循環が生み出されることに期待したいです。

■大銀セミナーとマナーハンドブックのご紹介

当研究所では、県内の中小企業の経営サポートの一環として、年間10本のセミナーを開催しています。管理職対象、主任・係長クラスを対象とした中堅社員、新人のフォローアップなどの階層別の人材育成セミナー、また人事評価・賃金制度の構築運用セミナーや若手中途採用者の受入れ準備セミナーなど環境整備に関するもの、経理や営業、総務関連、財務関連などの専門実務に関するものなどをご用意しております。是非、各社の人材育成や職場定着の環境づくりにお役立ていただきたいと思います。また、当社のビジネスマナーハンドブックがオールカラーで新しくなりました。携帯電話や電子メールなどの近年のビジネスツールの正しい使い方を新たに加え、電話応対やビジネス文書についても充実させています。セミナーやマナーハンドブックについて詳しくは、大銀経済経営研究所のホームページ。フェイスブックをご覧ください。
(おわり)