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「キャッシュレス決済」したことはありますか?

今回は、大銀経済経営研究所の平山翔悟さんにご出演頂きました。

 

 

 

今回は「キャッシュレス決済」に関する調査をされたとのことですが

近年、世界では現金を使わずに決済を行うキャッシュ決済の普及が進んでいます。日本でもテレビや雑誌などで「Pay Pay」や「LINE Pay」などのキャッシュレス決済サービスの広告を目にする機会が多くなってきていると思います。しかし、日本では他の先進国と比較してキャッシュレス化が遅れていると指摘されており、その中でも特に地方においてキャッシュレス化の普及が遅れているといわれています。当研究所では、県内におけるキャッシュレス決済に関する実態を調査するため、大分県に在住する20歳以上の個人の方を対象に、決済手段に関するインターネットアンケートを実施しました。本日はそのアンケート結果の一部をご紹介します。

 

 

 

キャッシュレス決済の基盤となる、スマートフォンの保有率はどのようになっていますか

スマートフォンの保有状況について聞いたところ、約8割の人がスマートフォンを保有していると回答しました。スマートフォン以外の携帯電話(いわゆるガラケー)を保有していると回答した人が全体の約15%、携帯電話自体、保有していないと回答した人が全体の約5%となっています。スマートフォンの保有率は若い世代ほど高く、20代では95%以上の人がスマートフォンを保有していると回答しました。一方、60歳以上に限るとスマートフォンの保有率は約55%となっています。しかし、60歳以上の約2割の人が今はスマートフォンを保有していないけど、いずれはスマートフォンを保有したいと回答しました。これらを合算すると7割を超えることから、比較的高齢の世代においても今後スマートフォンの普及が進んでいくことが考えられます。

 

 

今後、決済をキャッシュレス化したいと考えている人の割合はどのくらいなのでしょうか

キャッシュレス決済に関する今後の意向について聞いたところ、「出来るだけキャッシュレスにしたい」、もしくは「どちらかといえばキャッシュレスにしたい」と回答したキャッシュレス決済派の割合は52.1%と、半数をわずかに超えました。ただし、今回実施したのはインターネットアンケートであり、インターネットを利用することが全くないようなITに不慣れな人は回答者に含まれていないため、実態はもう少し現金派の割合が高いものと思われます。

 

 

決済をキャッシュレスにしたい主な理由としてはどのようなことが挙げられますか

キャッシュレス決済に関する今後の意向に関する質問で、「出来るだけキャッシュレスにしたい」または「どちらかといえばキャッシュレスにしたい」と回答した人にその主な理由を複数回答で聞いたところ、「ポイントや特典がつく」との回答が最も多く、約75%の人が理由として挙げました。2番目に多いのが「決済に手間や時間がかからない」との回答で、約7割の人が理由として挙げました。このことから、決済のキャッシュレス化に関しては、まず第1にお得であること、そして2つ目に決済にかかる時間が節約できて便利であるということが重要であるといえます。一方、キャッシュレスにしたい理由として、「(クレジットカードなどで)後払い・分割払いができる」を挙げた人は約1割と少数でした。ローンでの支払いを好まない日本人の特性が表れた結果といえます。

 

 

反対に、出来るだけ現金で決済したい理由としてはどのようなことが挙げられますか

キャッシュレス決済に関する今後の意向に関する質問で、「出来るだけ現金で決済したい」または「どちらかといえば現金で決済したい」と回答した人にその主な理由を複数回答で聞いたところ、「使いすぎる心配がない」との回答が最も多く、約6割の人が理由として挙げました。続いて多いのが「後払い(ローン)が好きではない」で、半数近くの人が理由として挙げました。現金決済を好む理由としては、収支の管理やセキュリティ面に関するものが上位に挙がりました。一方、「キャッシュレス決済を利用できる場所が少ないまたは無い」との理由を挙げた人は15%程度に留まっていることから、キャッシュレス決済を利用できる店舗が拡大すればキャッシュレス決済を利用したい人もそれに比例して増加するとは考えづらく、現金決済を好む人をキャッシュレス派に移行させるためには、まず収支の管理がきちんとできる仕組みをつくったりセキュリティ面を向上したりすることが求められるのではないかと思います。

 

 

消費者はキャッシュレス決済に関して、今後どのような点を改善してほしいと考えていますか

今後充実してほしいことや改善してほしいことについて聞いたところ、キャッシュレス化に前向きなキャッシュレス派の多くは、キャッシュレス決済が利用できる場所の増加や、ポイントの充実を求めている一方、キャッシュレス化に後ろ向きな現金派の多くは、盗難・紛失時の補償や収支の確認がしやすいことを求めており、キャッシュレス化に前向きな人と後ろ向きな人で改善して欲しいと思う内容に差があることが分かりました。また、自由回答欄では、キャッシュレス決済サービスの種類が多すぎてそれぞれの特徴やどれを使えばよいのかがよく分からないといった意見も数多く寄せられました。今後キャッシュレス決済が広がってほしい場所については、スーパーやドラッグストアといった普段づかいの小売店を挙げる人が最も多く、駅や病院・薬局で普及してほしいといった意見も多く挙げられました。病院や薬局では、急な病気等で現金を準備できないケースも多いことから、キャッシュレス決済のニーズが高いものと考えられます。

 

 

■ 最後にアンケート調査のまとめをお願いします。
 今回のアンケートでは、キャッシュレス派と現金派の割合はほぼ半数で割れています。キャッシュレス決済の普及については、キャッシュレス化に対して前向きな意向を持っているキャッシュレス派の要望である、キャッシュレス決済が使える場所の増加やポイントの充実といったことを実現させることはもちろん重要ですが、もう半数を占める現金派の人をキャッシュレス派に移行させるためには、異なるサービスでも収支の管理がしっかりできる仕組みの構築やセキュリティの向上、盗難・紛失時の補償など安全面の強化が求められると思います。また、お店ごとに使用できる決済サービスが異なるといったことで消費者が混乱することがないように、異なる決済サービス間での相互利用ができる仕組みをつくることも非常に大切なことだと思います。

 

(終わり)