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香港の外国人家政婦に永住権なし?

2013/04/11  |  木曜日, 香港トピックス

1.日本と香港の家政婦さんの違い

一般的に日本で家政婦さんがいる家庭とはどのようなイメージを持ちますか?

例えば、日本の富裕層の方など、どうしてもお金が関わってきますので、一般的には家政婦さんをなかなか雇用できませんね。ここ香港では家政婦さんのことを「アマさん」と呼ぶのですが、香港で家政婦さんを雇うことは特別なことではなく、広く一般市民に受入れられています。

2.香港の家政婦(アマさん)について

香港で働く家政婦さんは、香港内に30万人以上滞在しているといわれています。香港の人口は約710万人ですので、人口の約4.2%の割合で、非常に多くの家政婦さんが香港で働いています。出身地はフィリピンが最大で、次いでインドネシア、マレーシアとなっています。

3.なぜこのように多くの家政婦さんがいるの?

香港は東京都の半分の面積しかなく、人口も少ない地域ですので、歴史上も早くから女性の労働力を積極的に活用する政策が取られてきました。例えば家庭内の育児や、家事などの負担を軽減する目的などから、海外からの労働者を多く受入れてきた歴史があり、現在に至っています。香港では共働きが一般的で、家政婦さんを雇い、部屋の掃除・洗濯・料理や、子供の世話まであらゆる仕事を任せているようです。一方で賃金はあまり高くなく、香港政府は住み込み外国人家政婦の最低賃金を約4千ドル(日本円で約5万円)とし、ある程度生活資金に余裕がある共働きの家庭であれば雇える環境にあります。

4.家政婦さんの永住権について

このように香港では家政婦さんを雇うことは一般的に行われていますが、これら海外からの家政婦さんと香港政府の間で問題が発生しています。それは家政婦さんが自分達の香港の永住権取得を求めて訴訟を起こし、その結果は最高裁が「外国人家政婦の永住権取得を認めない」との最終判決を下しました。香港の基本法では7年以上定住した外国人に永住権取得を認めていますが、今回の最高裁の判決では「限られた条件下で香港に居住、就労しており、永住権の申請に必要な「通常の居住」という条件を満たしていない」と結論付けました。訴えた家政婦さん側は不服ですが、香港市民としては、永住権取得後の社会保障の問題などが予想されることから判決を支持しています。香港での外国人の永住権に関してはいつも難しい問題となっています。

5.家政婦さんに頼りすぎる香港家庭に問題が浮上!

また、もう一つ問題点が指摘されています。あまりに家政婦さんに頼りすぎる香港家庭にあって、家政婦さんに頼む仕事として、幼児のベビーシッターや子供の世話を任せる家庭が増えていて、小学生高学年になっても「一人で着替えができない」、「自分で風呂に入れない」、「物を片付けられない」など一人では何もできない子供が急激に増加しているようです。家政婦さんを気軽に利用できる香港にあって、この問題は深刻の様です。

6.家政婦さんの休日

最後に、住み込みの家政婦さんの休日の過ごし方をご紹介致します。日曜日になると香港中心部のセントラル地区の路上やビクトリア公園付近では、本当に大勢の家政婦さんが仲間同士で集まりCDラジカセで歌を歌い、踊ったり、手料理を皆に振舞ったりしています。慣れない観光客はこの光景にビックリするのですが、楽しそうに集まる雰囲気を見て、今では日本では見ることができない香港の光景の一つに定着しています。

(終わり)