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香港の高齢化と高齢者に優しい香港の社会

2013/04/18  |  木曜日, 香港トピックス

1.日本と香港の少子高齢化の現状

先日、日本の厚生労働省が2040年の全国都道府県の人口が2010年対比で減少し、1億727万人になるとの発表が行われました。大分県でも2010年の119万7千人から、2040年には95万5千人と2割の減少となるようですね。

ここ香港では、香港政府の発表によると、2011年時点で707万人の人口ですが、30年後の2041年の香港の人口は847万人に増えるとの予測を立て、日本とは逆に2割程度、140万人の増加を見込んでいます。これらの要因としては、香港の出生率は住宅事情や夫婦共働き世帯が一般的であることから、1.2と日本の1.39と同様に低いのですが、男女共に世界一となった香港の平均寿命の延びと、中国本土をはじめ周辺地域からの人口の流入が続くと予想されているためです。このように人口の増減については、日本と香港は状況が違いますが、一方で少子高齢化社会という問題は共通のようです。日本での高齢化率は23%と世界トップの高齢化社会となり、大分でも現状の26%台から2040年には36%を超える予測となっていますが、香港でも同様に、現在の高齢化率は13%台ですが、年々増加傾向にあり、2041年の高齢化率の予測では30%台となり、日本と同様に超高齢化社会となると予測されています。

2.なぜ香港の人がそんなに長寿なのでしょうか?

香港は昨年男女共に平均寿命が世界一となりました。香港男性が80.5歳、女性が86.7歳と共に平均寿命が延びてきているようです。要因を考えてみますと、医療水準や生活水準の高さや、香港市民の健康に対する意識の高さなどが挙げられると思います。香港市民の喫煙率は世界的にみても低く、生活や健康についてはいつも意識しているようです。温暖な気候も関係しているのかも知れませんね。

3.香港のシルバー産業の動向

これまで説明のとおり、香港の高齢化率は上昇していますが、これからは1950年代から60年代生まれの香港のベビーブーム世代が高齢者になることから、今後20年間は高齢化率が急激に上昇していきます。このような状況の中で、香港では、これからの高齢化社会におけるシルバー産業が注目されつつあります。

中でも、香港の高齢者の9割以上が自宅に暮らし、1割弱の方が入院生活や老人ホームで暮らしていることから、高齢化の進行と共に、訪問介護や自宅に暮らす個人を対象とした食事の宅配サービスなどの需要が増加してきています。この状況に対して、海外の訪問介護サービスの企業が香港市場の参入を計画し、経営パートナーを探しながら、参入の機会を窺っているようです。香港市場を開拓した上で、中国本土への本格進出も視野に入れているようです。日本企業の参入のチャンスも大いにあると思われます。

4.高齢者に優しい香港の社会

最後に、高齢化社会に突入した香港にあって、香港は高齢者に優しい社会であるといわれています。生活資金に余裕がある市民は、先週ご紹介した外国人家政婦さん(香港内ではアマさんと呼ばれています)を雇い、一緒に生活をしていますし、映画やコンサートなどイベントも半額程度に割引がきき、一部の交通機関も同様に半額になる制度があります。このため、香港の高齢者の外出の頻度は高いといわれています。元気の要因です。

また、地下鉄やバスの中では、高齢者に席を譲る光景を頻繁に見かけます。乗り降りでも、さっと手を差し伸べる習慣が皆さんできています。大分にいる私の母も香港の地下鉄に乗った時に席を譲ってもらった一人です。香港市民は高齢者に本当に暖かく接していて、この光景をみていて、本当に気持ちが良くなりますね。

(終わり)