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中国返還16周年を迎えた香港

2013/07/11  |  木曜日, 香港トピックス

1.7月1日は香港にとって重要な日

毎年7月1日は香港にとって大変重要な日です。1997年の7月1日に香港はイギリスから中国へと主権が返還され、中華人民共和国香港特別行政区が誕生して今年で16周年を迎えました。

返還後50年間は現在の資本主義体制が維持されることが約束され、返還前の自由経済や香港独自の行政権、立法権、司法権を有することができる、いわゆる「一国二制度」が香港に認められています。

この「一国二制度」についてですが、香港に来られたお客さまや友人から、どのような制度なのかとよく質問を受けます。香港と中国は同じ中華人民共和国で一つの国ですが、さまざまな法律や制度などが中国本土とは異なります。香港での生活の中で身近に違いを感じることは、街並みや雰囲気が違うことは当然ですが、まず貨幣・お金が違います。中国の貨幣は「中国元」ですが、香港は「香港ドル」で、その価値にも違いがあります。また私どもが香港から数十キロしか離れていない中国本土に行く時には、必ずパスポートが必要となります。中国本土に入るイミグレーションでパスポートを提示する時には、いつも「一国二制度」が頭に浮かびますね。

先日、日本の友人から香港の「一国二制度」についての話題がテレビや新聞で報道されていたと聞きました。今話題となっている、アメリカのCIA元職員が香港に逃亡した時に、香港の「一国二制度」の話題が取り上げられたようで、世界中にこの話題が伝わったようですね。

私としては香港が世界に注目されることは大変嬉しいのですが、今回のような話題で注目されたことは、ちょっと複雑な気持ちですね。

2.7月1日の恒例の行事について

香港では6月に入ると、7月1日の返還記念日を知らせるモニュメントやポスターが街中に登場してきます。今年は残念ながら開催されませんでしたが、例年はビクトリア湾での花火大会が開催され、多くの観光客で賑やかに記念日が迎えられています。

しかし、この記念日に対して、お祝いの気持ちを現す香港市民ばかりではないことも事実としてあります。7月1日は香港では香港特別行政区の成立記念日として毎年休日となっていますが、この日に必ず行われる行事があります。

香港では7月1日には大勢の香港市民による「デモ」が行われます。デモといっても、過激な行動をとるデモではなく、巨大なプラカードや旗、手書きのポスターを掲げて大通りを行進するもので、今年は主催者側の発表で43万人のデモ行進が行われたようです。

デモ行進の目的はさまざまですが、今年は香港政府トップの行政長官就任1年目に対する不満、住宅価格の高騰や市民生活の悪化、また近年の「一国二制度」に対する形骸化など、市民の不満が爆発する形でデモ行進が行われました。

香港内ではこのようなデモ行進が頻繁に行われていて、香港は「デモの都」と化していると言われています。私もこの1年間で何度も大勢が参加するデモ行進を見かけました。過激な行動が無いため、香港政府や警察もこの市民デモを一種の息抜きとして捉えて、街中の交通整理を行っています。

この自由なデモ行進の実態からも、言論や集会の自由が保障されている香港を十分に感じることができます。

(終わり)