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日銀短観6月調査の結果について

日本銀行では、四半期ごとに、企業短期経済観測調査、略して短観という調査を行っています。これは、大分県内の190社足らずの企業にアンケート調査を行って、現在の業務状況の判断などをお伺いするものです。他の支店ならびに本店でも行っておりまして、特に本店が行う短観調査の全国の大規模製造業の業務状況判断が景気判断を行ううえで参考になるとして注目されています。良くネットの反応とかみていますと、「大規模企業だけに聞いても中小を含めた景気判断には不十分なのではないか」と指摘されていますが、全国短観でも中堅、中小企業をカバーしています。単にマスコミが報道しないだけです。今回は6月に行い、日銀大分支店で今月初めに公表したこの短観の結果について簡単にご説明します。

全国で行った短観調査ではヒアリング先の企業での業務状況への判断が大幅に好転しましたが、当地では、依然横ばいの動き。但し、今後の改善への期待は強いというのが概況です。当県全産業の業況判断は、前回3月調査と同様の▲5のまま。これは「業務状況は如何ですか」と聞かれて、「良い」と答えた企業の数から「悪い」と答えた企業の数を引いて、全体の企業数で割った数字です。要は、ネットでみて、まだ「景気が悪い」と答えている企業の方が少し多く、その状況が3月と変わっていないということです。因みに全国では全規模(大企業に中堅中小も合わせた結果)でみて▲8から▲2に改善しています。この内訳についてみると、色々な物を製造して売っている製造業では「悪い」超幅がやや縮小し▲13が▲9へとやや改善しましたが、改善のテンポは全国と比べ鈍いです。全国全規模の製造業では3月の▲15から6月には▲の6まで9ポイント改善しています。一方で非製造業は、全国では▲2からプラス1まで改善していますが、当地ではプラマイゼロから今回▲3へと再び悪化しました。

製造業では、▲9ですから、まだネットで見ると「悪い」と答えている先の方が多いわけですが、電気機械では半導体製造装置の受注持ち直し、在庫調整の一巡や新製品の生産開始で生産レベルが幾分改善したとの先がみられたこと、また消費税増税を見込んだ駆け込み需要が発生している住宅着工の増加や自動車生産の回復などを背景とした受注増で全体としては改善の手ごたえを感じている企業が増加していることを反映し、マイナス幅が縮小しました。但し全国と比べてその改善のテンポが遅い理由としては、大分県の生産に占めるウエイトの高い電子部品・デバイスといった業種において、国内向け商品が主力となっており為替円安の恩恵が小さいことや、当地では現在好調の自動車関係のウエイトが相対的に低いことが挙げられます。

一方で非製造業では、運輸・郵便での競合激化を背景とした取引先からの値引き要請や電気・ガスでの燃料価格の上昇を受けた採算悪化などのほか、個人消費がさえないこと、自動車販売でも新車投入効果のピークアウトなどから業況判断が悪化した企業が増加したことから、全体で悪化しました。また、当地産業に占めるウェイトが高い宿泊・飲食サービスでも、一部には観光需要が回復し宿泊客やレストラン利用客が増加したとする先もみられますが、競合激化により法人による宴会などの需要が減ったとする先もあり、引き続き大幅なマイナス超の水準にあることも非製造業の足を引っ張っている要因となっています。この点、全国でみると、大企業小売りは「良い」超が維持され、宿泊・飲食サービスは大幅に改善していることと対照的であり、その違いが当地と全国の業況判断の相違の原因となっています。非製造業の不冴えに関しては、当地では有効求人倍率など雇用関係の環境も全国比悪いほか、県庁や市といった自治体関連でもここにきて昨年の国家公務員の報酬カットを受けて給与カットが行われる方向にあるなど所得面でも芳しくない状況が続いていることが要因と思われます。また、全国では、高級時計やブランド品など高額品が良く売れているようですが、当地ではなかなか高額品も冴えない状況が続いている点が指摘できます。この点は、我々も今後しっかり調査していくつもりですが、やはり高額品を買うときは、品ぞろえが豊富な大都市のお店で買うという行動が背景にあるのかもしれないと考えています。

しかしながら、先行き9月の状況はどうなっていると思いますか、との質問に対しては、当地でも殆どの業種で改善が見込まれており、全産業ベースでは、+5と07/6月調査(+4)以来のプラス水準が見込まれています。つまり、業況が良いと答える企業の方が多い状況に回復することが見込まれています。その背景としては、為替円安の影響や市況改善、さらには個人消費の持ち直しが製造業の明るい見通しを支えています。非製造業では、消費税増税前の駆け込み需要増加による住宅需要の増加、政府の経済対策に期待する公共工事の増加、また個人消費の改善期待や新車投入効果、幅広い企業が取り組んでいる太陽光発電需要の拡大が明るい要因として見込まれています。また宿泊・飲食サービス業でも夏休みシーズンの予約状況が改善していることなどを背景に改善方向への変化が期待されています。

本日は、全国の状況と比べてもやや冴えない当地の景気情勢について単価という日銀のアンケート調査をもとにご説明しました。当地においても、全国的な景況感改善の流れを受けて、早く前向きな姿勢に強まってほしいと願っています。

(終わり)