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上海日本人学校の通学事情とは?

八坂さん:

以前にも紹介したと思いますが、こちらの日本人学校は安全確保のため、児童・生徒が自由には登下校できない規定になっています。皆さん、居住マンションが運行する通学バスとか、何軒かの家庭が共同で車を雇って通学するとかの方法を取っています。通学方法は生徒ごとに学校に届け出を行い、必ず届け出た方法で登下校しなければなりません。

 

後藤アナ:

ある意味、安全な通学方法のようにも思いますが、何か問題があるんでしょうか?

八坂さん:

そうなんです。

1月下旬にこの方法が法令違反だということで、上海市当局から禁止されました。中国では、生徒の登下校は親が責任を持って行う「個人通学」が原則です。そういえば現地の中国人が通う学校では、下校時に学校の校門付近に大勢の人が集まり、車が沢山並んで、子供の下校を待っている風景をよく見ます。これまでのやり方ができなくなり、現在、日本人学校の生徒の通学が大変なことになっています。

 

村津アナ:

・・・といいますと・・・

 

八坂さん:

我が家のこちらの住宅は日本人居住者がほぼ100%のマンションですが、マンションバスが禁止されたため、行きはマンション側がタクシーを何台もチャーターし、それにお母さん方が毎日ローテーションで同乗して学校に送り、帰りはそれぞれのお母さんが子供を学校に迎えに行くという日々が続いています。

後藤アナ:大変な事になっていますね~・・・

 

八坂さん:

そうみたいなんですよ~。

上海には20キロほど離れた場所に2つの学校があり、中学校は1か所しかないため、小学生と中学生の子供が別々の学校に行っている場合は大変な苦労をしているようです。

また、ある家庭は中学生のお兄ちゃんが高校受験のためお母さんとい一時帰国しているため、上海にお父さんと、小学生の子供が残っていますが、お父さんは仕事があるため、毎日の送り迎えができないため、子供は学校を休ませているようなケースも発生していると聞いています。

村津アナ:

家族の事情によっては、難しい事もあると思うんですが、最近出てきた問題なんですか?

 

八坂さん:

実はこのバス問題、事故防止の観点から、かなり以前より日本人学校は上海市当局に改善するようにと指導されていたのですが、これまでは何とか待ってくれと先延ばしになっていたのが、今回は全く待てないと、かなり強硬に言われ、こうした事態に至ったようです。恐らく背景には習近平政権になってから非常に強調されだした法治主義、法令順守の徹底という流れがあり、それに加え、年末に外灘であった36人が死亡した将棋倒し事件があり、公安当局が強硬な態度になったのではないかと私は推測しています。

後藤アナ:

八坂さんのお宅では大丈夫なんですか?

 

八坂さん:

うちはバスが禁止されたときに、息子がちょうど高校受験の準備で妻と一時帰国していました。春節に上海に戻ってきた後、3月5日に卒業式だったので、実質は1週間ほど母親と歩いて通学して終わりになりましたが、その他のお母さん方はもう1カ月半近く、これまでなかった毎日の送り迎えを行い本当に大変そうです。

村津アナ:

来月からは新学期も始まりますが、どうなりそうなんですか?

 

八坂さん:

日本人学校によると4月の新学期からは学校が当局の認めた資格のある業者と契約して運行するスクールバス通学方式にするそうです。ただ、有料のサービスになるらしく、今聞いている話では1人月800元程度(1万6000円)とか言われているので、子供が2人いると年間数十万円の負担と言うことで、安くはないようです。

昨年の3月末は、日中関係の悪化とか、大気汚染とか、中国での日系企業の業務縮小とかの影響があったためでしょうか、かなり大量の駐在員家族が帰国しました。今年度もこうしたことが原因で帰国者が相次ぎ、さらに日本人学校の生徒が減ってしまうのではないかと危惧しています。

 

村津アナ:・・・ありがとうございました!

(終わり)