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「経済効果のはなし」

先月から今月にかけて、道路があちらこちらで開通していますね。先月は、中九州横断道路の大野~朝地までの区間と、中津日田道路の伊藤田から中津までの区間が開通しました。3月1日には東九州自動車道の豊前から宇佐の区間、そして21日には佐伯から蒲江までが開通します。たまたまなのですが、最近開通した道路については、いずれも通る機会がありました。東九州自動車道については中津からこちら側の区間だけですが・・・。

来月には大分駅ビルの開業、県立美術館の開館も控えていますね。水族館の新しい施設もオープン予定です。さらに、7~9月にはJRグループによるディスティネーション・キャンペーンも予定されています。色々なイベントがあって楽しみな時期ですね。

よく、こうしたイベントがある場合の「経済効果」というものの試算が出ますよね。例えば、今年の夏のディスティネーション・キャンペーンの場合、経済波及効果は100億円程度との試算も出ているようです。

本日は、こうした試算について、どのように考えるべきか、ということについてお話しできればと思います。

「イベントの経済効果を信じてはいけない」という見方もあります。その趣旨は、「もともと行こうと思っていた場所に、イベントをきっかけに行くだけであれば、タイミングの問題なのでプラスにはならない筈」ということと、「イベントをきっかけに消費を増やしたとしても、代わりに同額他のものの消費を減らせばチャラである」ということです。この2点についてはその通りだと思います。

ただし、このように考えればどうでしょう?もともと行こうと思っていたわけではないところに、イベントをきっかけに行くことにした場合。あとは、他の消費は削らずに、消費額全体が増える場合。

まず、前者について。大分は、残念ながらあまり知名度は高くないと思います。別府や由布院は全国的に知られていますが、「大分」と言うと、一般的にはあまりイメージが湧かないと思います。正直に言えば、私も着任するまではそうでした。そこで、全国のJRの駅に、「大分」のポスターが貼りだされると、「大分ってどんなところだっけ」という反応があり、中には「そうか別府や由布院があるところだな。では行ってみようかな」となって実際に観光に来る人がそれなりにいるのではないかと個人的には思います。知名度が高いところであれば、「いつかは行こう」と思っていて、キャンペーンや大河ドラマがきっかけになって行く、ということがあるかもしれませんが、知名度が低いと逆にイベントを機会に思い立って訪れることになり、経済効果は大きいのかもしれません。

また、この場合に重要な点がもう一つあります。それは、日本経済全体をとってみれば、例えば東京の人が大分に観光に行こうが京都に観光に行こうが一緒なのですが、大分県経済にとっては大違いということです。一連のイベントによって、大分に来る人の数が増えればそれだけ経済効果は大きくなります。外国人に来てもらえれば、日本経済全体にとってもプラスということになります。

消費額全体が増えるかどうかという後者の点ですが、個人的には、増えるのではないかと思っています。まず、日本経済全体でもそうですが、大分でも給料は増えていますし、雇われている人の数も増えています。昨年は消費税率のアップと物価上昇があって、給料の増え方よりも物価の上がり方が大きかったので、実質的には消費は増えにくかったですが、今年は給料の上がり方が物価の上がり方を追い抜く筈です。消費を増やしやすい環境が整ってきていると思います。

駅ビルの開業により、駅の新しいお店で買い物をしたり、映画を見たり、ということがあると思います。ものによっては、ここで買い物をした分、他で買い物をしなくなる部分もあると思います。一方、例えば、映画について言えば、私がよくお会いする機会の多い転勤族で大分に単身赴任で来ているおじさん達などは典型的にそうだと思いますが、城崎や舞鶴、中島辺りに住んでいて、面白そうな映画があれば見に行くと思います。こういう人たちはゴルフが入っていない週末は暇にしていますので、郊外の大型商業施設にまではわざわざ見に行かないものの、駅周辺の映画館であれば、見に行ってもいいか、と思える映画はそれなりにあるだろうと思います。

また、美術館を見に来て、ついでに食事をする場合もあるでしょう。出掛けなければ家で食べていたであろうところが外食になる。これも消費の増加に繋がると思います。

このように、今年の夏にかけての一連のイベントについて言えば、純粋に景気を良くする経済効果はあるだろうと思います。厳密にそれが幾らになるか、他の消費を減らす分をきちんと勘案して推計することは難しいですが、私は間違いなくプラスになると思っています。まあ、難しい話はそういうことですが、折角の機会ですので、みんなで楽しみましょうね。

(終わり)