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2016年新入社員意識アンケート調査について

今回は、大銀経済経営研究所の山田 裕一さんにご出演頂きました。

 

■はじめに、大分県内の最新経済動向はどうなっていますか?

県内経済は、一部に足踏み感がみられ、熊本地震の影響が続いているといった状況にあります。

項目別にみますと、雇用動向は引き続き堅調に推移していますが、個人消費は一部に弱い動きがみられます。また、観光面を中心に熊本地震の影響が続いておりますが、九州観光支援旅行券などの支援策により、県内経済の活性化が期待されます。

 

■今回は、今年度新入社員の意識調査をされたとの事ですが・・・

今年の新入社員が就職活動を行った2015年度は、好調な企業業績や団塊世代の退職などを背景に、新卒の採用が一段と活発となりました。厚生労働省と文部科学省が行った調査における大学卒業者の就職率は、今年の4月1日現在で97.3%となり、1996年度の調査開始以来、過去最高の水準となりました。こうした中、当研究所では、県内の新入社員を対象に、県内企業に就職を決めた理由や仕事に対する意識などに関するアンケート調査を実施しました。

 

■まずは、就職活動が「厳しかった」とか「順調だった」などという感想はどうでしたか?

就職活動の感想について尋ねたところ、「厳しかった」という回答が最も多く、37.6%でした。一方で、「それほど厳しくなかった」や「順調だった」、「想定以上に楽だった」という、就職活動を厳しいと感じなかった回答の合計は、年々増加しています。5年前の調査では厳しいと感じなかった回答の合計は37.1%でしたが、今回の調査では54.0%となり、過半数の新入社員が就職活動を厳しいと感じなかったことがわかりました。また、就職した会社が第一希望かどうか尋ねたところ、7割以上が第一希望の会社に就職していることもわかりました。以上のことから、新卒採用市場は売り手市場が年々鮮明になっていることがうかがえます。

 

■県内の企業に就職した理由、そして、現在の会社を選んだ理由はどのような結果でした?

県内企業へ就職した理由について尋ねたところ、「地元への愛着」が39.8%と最も多く、次いで「家族や友人が近くにいるため」が26.1%、「希望の会社があったため」が23.0%の順で、例年同様、生まれ育った地元で働きたいという意見が多いという結果になりました。

また、会社を選んだ理由は「仕事の内容」が49.1%と最も多く、以下は「地元企業」、「先生・家族の勧め」、「労働条件」、「自分の能力・適性」、「安定性」の順でした。中でも男性は「地元企業」という回答が、女性は「先生・家族の勧め」という回答が多かったです。

 

■就職した会社で働きたい期間や目指す役職についてはどうでしたか?

いまの会社でいつまで働きたいか尋ねたところ、「とりあえず今の職場で働く」が51.8%となり、アンケート調査を開始した1997年以来、過去最高となりました。一方で、「定年まで働きたい」や「独立や転職の可能性あり」といった回答は年々減少傾向にあります。最近の新入社員の多くは、独立や転職の意志が強いわけではありませんが、だからと言って、今の会社で定年までずっと働くという明確な意志を持っているわけでもないことがうかがえます。このことから、売り手市場と呼ばれる就職活動を経験した新入社員の多くは、再就職についてもより柔軟な考えを持っているようです。

また、将来目指す役職について尋ねたところ、「役職(出世)にはこだわらない」が51.3%と最も多くなりました。前回の調査と比較すると、「社長」や「役員」の回答は減少し、「管理職(部長・課長)」「中間管理職(係長・主任)」「役職(出世)にはこだわらない」の回答は増加しました。今年の新入社員はあまり役職にこだわらず、上昇志向も控えめのようです。

 

■理想の上司についての調査結果はいかがでしたか?

理想の上司について尋ねたところ、「仕事以外でも相談にのってくれる」が31.9%と最も多く、次いで「目標、やり方をはっきり指示してくれる」、「自分の意見をよく聞いてくれる」と続きました。仕事だけではなく私生活での悩み事にも耳を貸してくれる、また、しっかりとリードしてくれる上司が理想であることがうかがえます。

 

■初任給の使い方はどのような結果でしたか?

初任給の使い方について尋ねたところ、「家族へのプレゼント」が59.3%と最も多く、次いで「預・貯金」、「生活費」、「友人・恋人との交際費」、「旅行・レジャー」の順となりました。

男女別にみますと、男性は女性よりも「生活費」や「友人・恋人との交際費」の回答が多く、女性は男性よりも「家族へのプレゼント」や「預・貯金」の回答が多い結果となりました。女性は堅実に貯蓄していくことを考えているようです。

 

■今回の調査を通じてどのような感想をお持ちですか?

今回のアンケート調査では多くの新入社員が第一希望の会社に就職しており、就職戦線は売り手市場であったことが浮き彫りとなりました。

公益財団法人 日本生産性本部では、今年の新入社員のタイプを「ドローン型」と発表しました。

「就職活動日程や経済状況などのめまぐるしい変化という強い風にあおられたが、なんとか自律飛行を保ち、目標地点に着地(希望の内定を確保)できた者が多かった。さらなる技術革新(スキルアップ)によって、様々な場面での貢献が期待できる」としています。

新入社員は今後、学生生活とは違った社会の厳しい風に吹かれることになりますが、仕事の目標をしっかりと定め、ドローンのように全体を俯瞰しながら、会社や社会に貢献し人生を充実したものにしてほしいと思います。

今回のアンケート調査の詳細につきましては、当社会員様に毎月発行しております「おおいたの経済と経営」の8月号に掲載予定です。興味のある方はぜひ、ご入会いただきますようお願いします。また、当社は「Facebook」を開設し、県内経済の動向やセミナー開催のお知らせを随時行っております。こちらも興味のある記事には、ぜひ「いいね」をしていただき、参加してみたいセミナーがありましたら、お気軽に当社までご連絡ください。よろしくお願いします。

(終わり)