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オリンピックの経済効果について

無題

 

みなさん、はじめまして。日本銀行の濵田と申します。7月に、日本銀行大分支店に赴任してきました。前任の秀島と同様、「やさしい経済のはなし」のコーナーを担当させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

少し自己紹介をさせていただくと、同じ九州の長崎県長崎市で生まれ、高校生まではそのまま長崎で育ちました。東京の大学を卒業したのち、日本銀行で働き始めて、現在26年目です。東京での勤務が多いですが、静岡や大阪でも働いた経験があります。歳は、47歳です。家族は、妻と中学生の娘、幼稚園児の息子です。先日、家族も大分に引っ越して来まして、4人で暮らしています。

さて、今日は「オリンピックの経済効果」について、お話したいと思います。現在はブラジルのリオデジャネイロで、そして4年後には東京で、オリンピックが開催されます。オリンピックが開催されると、開催国の経済にプラスの効果が出ると言われています。今日は、その仕組みについて、お話しをしてみようと思います。

今年の夏は、暑い日が続きますね。涼しい室内で、リオ・オリンピック三昧の方も多いのではと思います。日本選手が大活躍していて、観ていて燃えますよね。私も、休日はすっかりオリンピック漬けで、日本選手を応援しています。

オリンピックを観ていると、知らず知らずに影響を受けているようで、私は、水泳の萩野公介選手が400メートル個人メドレーで金メダルを取った日には、さっそく娘、息子と南大分温水プールに行ってきました。さらに、体操の内村航平選手が個人総合で金メダルを取った後には、またしても娘と、近くのスポーツジムに行って、筋力トレーニングをしてしまいました。我ながら、ミーハーですね(笑)。

ここで、ちょっとお金の側面を考えてみますね。プールやジムに行った際には、施設の利用料がかかりました。また、ジムで使うためのスポーツ・シューズも新しく買いました。さらに、運動の後はおなかが減ったので、子供達と一緒にファミリーレストランで食事もしました。施設の利用料、靴の購入、食事にかかった費用は、オリンピックがあったからこそ発生したと考えれば、広い意味では、「オリンピックの経済効果」と整理することができます。ただ、金額は1万円強と小さいので、日本経済には大して貢献できていません(笑)。

このように、オリンピックがきっかけとなって、モノを買ったり、飲食をしたりといった経済行為が発生することが多々あります。オリンピック選手が良い成績を上げた時、その選手が着用していたスポーツウェアやスポーツシューズがたくさん売れるなんてこともその一例ですね。

さらに、オリンピックを日本で開催するとなると、海外のテレビや新聞などのメディアの方や、海外からの観客の方が日本にどっと集まります。彼らは、取材や試合観戦の合間に、食事をしたり、お土産物を買ったりします。また、お迎えする我々サイドでも、オリンピックの会場となるスタジアムを作ったり、海外のお客様をお迎えするためのホテルや交通機関を作るといったインフラの整備も必要となります。

実際にこうした経済行為が行われる際には、個人や企業、国や県、市などがお金を使うことになります。これをちょっと固い言葉で言いますと、個人による消費や公共投資といった需要が盛り上がって、オリンピック開催国の景気を刺激するということになります。こうした効果を「オリンピックの経済効果」と言います。

村津さんや飯倉さんは、今回のリオのオリンピック関連で、何かお金を使われましたか?(適宜、コメントをお願いします)。私と同様、お金を使っていれば、それがわが国の経済にプラスの効果を生んでいますし、反対に、ニュースを見るのに集中しすぎた結果、買い物に行きそびれたとなれば、マイナスの経済効果が発生したということになります。

4年後の2020年の東京オリンピックについて言えば、主として、「建設投資の増加」と「訪日観光需要の増加」と、いう2つの経路を通じて、我が国経済にプラスの効果を及ぼすことが期待されています。

まず、建設投資の方は、オリンピックに向けて、首都圏を中心に、オリンピック会場、民間ホテルの新築・増改築、品川や虎の門など都心の再開発、商業施設の建設などが予定されています。

ただ、東京オリンピックについて言えば、すでに建設済みの施設の改装にとどまる会場も多く、過去のオリンピックに比べて、経済効果はそこまで大きくないという見方もあります。

一方で、観光面については、外国との比較でみても、日本への観光客の増加の余地は大きいようです。政府も現在、観光客の誘致の強化を図ってまして、先般の政府の経済対策にも含まれていました。日本への観光客の増加が、オリンピックの後も続いた場合には、大きな経済効果が継続するとみられます。この辺は、政府のみならず、民間の取り組み方にもよりますので、日本の魅力を上手にアピールできれば、経済成長のチャンスといえるかもしれません。

われわれ大分県民としては、こうした観光客の方々に、首都圏のみならず、大分にも回遊してもらえるような取組みができれば、地域の経済にプラスの効果を生み出すことができます。今後、大分では、大きなイベントが続きまして、2年後の2018年に「国民文化祭」、翌2019年に「ラグビーW杯」が開催される予定です。さらに、その翌年、2020年に東京オリンピック開催と、この時期は、国内外の観光客がたくさん行き来します。

今から、「情報発信」や「おもてなし」を地道に積み重ねて、国内外に大分の魅力を理解していただくことが、4年後の東京オリンピック需要の取り込み、さらにはその後の需要拡大に繋がっていくと思われます。4年後に向けた戦いは、競技者もそうですが、我々も既に始まっていると言えると思います。

なお、こうしたイベントの時に投資や消費が先喰いされた結果、イベント終了後には、需要が急に減って景気が悪くなるケースもあります。このため、イベントで盛り上がった後は、次を見据えてクールに動き出すことも必要と思います。

以上、「オリンピックの経済効果」について申し上げました。東京オリンピックなどの大きなイベントを、大分経済の発展の起爆剤にできればいいなと思っています。

 

(終わり)