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大分県の「観光の振興」について

みなさん、おはようございます。猛暑とオリンピックと台風が去って、ようやく秋の気配が漂って来ましたね。一雨ごとに涼しくなっている気がします。先週末なんですが、友人に誘ってもらいまして、初めて九重山の中岳に登りました。九州本土の最高峰なんですね。空が高くて、山並みが雄大でした。スカイブルーと森の緑のコントラストが鮮やかで、とても癒されました。山頂では、ハムや卵、野菜を挟んだサンドイッチを、皆で手作りしたんですが、最高に美味しかったです。帰りがけには、ふもとの温泉と冷泉に入って、体もすっきり。夏の疲れがすっと抜けたようなすがすがしさを感じました。今からのシーズン、山登り、お勧めですよ。

さて、今日は、大分県の「観光の振興」について、お話したいと思います。私の目下の一番の関心事は、やはり熊本・大分地震からの復旧、復興なんですね。大分県経済にとって大きな打撃になったのが、観光面への影響です。地震直後は、ホテルや旅館、観光施設へのお客さまの入り込み数が急激に減ってしまって、大分県に落ちるお金─これを観光消費といいます─、が前年を大きく下回ってしまいました。

その後、九州ふっこう割をはじめとするさまざまな支援策が打ち出されました。この効果がとても大きくて、夏場の宿泊客数は、地域・施設によりバラつきはありますが、なんとほぼ前年並みの水準までV字回復をしています。大きな地震の後の立ち上がりとしては、ほかに例を見ない良い展開になっていると思います。これは、県内の関係する皆さまが対応策を素早く考えて、一致団結して取り組んだ結果なんですね。この大分県の団結力は素晴らしいと思いますし、胸を張って良いと思います。

今後なのですが、現在、九州ふっこう割の第二弾が、年末までの観光客向けに受付中です。第一弾と変わらず人気があるようなので、年内の観光は、あまり心配しなくてよいと思います。問題は、その後、年明け以降ですね。果たして、地震の前の水準までお客様が戻ってきてくれるのか、それ次第で、県内の景気が大きく影響されるとみています。年明け以降の観光の集客をいかに効果的に行えるかが、先行きの景気の流れを分けるポイントになります。

実は、私がここまで、観光、観光というのには訳があります。実は、観光は、宿泊客の方々が宿泊料を払ってくれる以外にも、経済に対して幅広い効果があるんですね。地元の食材を食べて頂ければ農業や漁業といった一次産業が潤うにとどまらず、食品の加工業などの二次産業、さらに卸小売業、サービス業、交通など三次産業にも効果が波及します。産業界の仕事量が増えると雇用が生まれ、若い方々が地元に根付いて、人口減少の歯止めになることも期待できます。私が観光にこだわるのは、熊本・大分地震からの復興のためというのが一番なのですが、その後長い目でみたときに、大分県経済の成長や人口減少対応といった構造的な課題に対して、観光の振興が特効薬になれると思っているからなんです。

それでは、大分県の観光は今後、どれぐらい伸びるのか。私は、大分に着任してたった2か月なんですが、大分県には他県に決して負けないというより、他県を大きくしのぐ魅力があると思っています。大分は、観光のポテンシャルがきわめて高いと感じているんですね。

身近なところでは、温泉、グルメですね。温泉は言うまでもないですが、グルメも関アジ、関サバ、中津のハモ、臼杵のフグ、佐伯のマグロ、豊後牛など、数え切れません。お酒も焼酎、日本酒、ワインとも国内外に誇れる水準です。景色も素晴らしい。大分─別府をつなぐ別大道路からの別府湾の景観は世界トップ級の美しさだと思いますし、先ほど申し上げた九重山や耶馬溪など自然も豊かで、登山や自転車などのアクティビティも豊富です。歴史、文化面でも、国東半島、臼杵の石仏、杵築の古い街並みなど多様な魅力を持っています。

それでは、こんなに魅力にあふれている大分県がどこまで認知されているのかというと、これがちょっと残念なんですね。ブランド総合研究所の調べでは、大分県の魅力度は、全国47都道府県中31位にとどまっています。正直、なんで分かってもらえないのか、くやしいですね。ただ、これは反対に、伸び代が大きいと前向きにとらえることもできます。

特に、今回の地震では、観光面に大きな打撃を受けましたが、その分、観光に携わる皆さんが危機感を持ち、どんどん知恵を出されています。「Go!Beppu おおいたへ行こう!キャンペーン」は、日本全体の新聞広告賞の大賞を取りました。また、海外からの観光客への対応を考えると、立命館アジア太平洋大学が世界的な評価を得たことも心強いです。

これから一番大事なのは、県内で観光に携わる皆さんが一層連携を取ることだと思います。新しいアイデアをぶつけ合って、どのような方向性で大分の観光を盛り上げるのか、大分観光のコンセプトは何か、ターゲットとする客層は国内、国外でどういった層かなど、意識をそろえられると良いですよね。オリンピックの男子400mリレーのバトンパスと同じで、共通の目的に向かって息を合わせて努力すれば効果は絶大です。地震を乗り越えて、まさに「災い転じて福となしてほしい」と願っています。

そして目指すべきゴールですが、これは、ずばり観光日本一だと思います。この場合、ライバルは、北海道、京都、沖縄となかなか強敵揃いですね。ただ、考えてみてください。まず、大分には日本一の温泉があります。温泉は、国内外の観光客にとって最有力コンテンツの一つなんです。そこに先ほど申し上げたようなグルメをはじめとするさまざまな魅力を掛け合わせていく。そうすると、日本一の温泉県は、日本一の観光県になれるはずです。これだけ魅力に富んだ県はほかにありませんので、県民みんなで知恵を絞り協力すれば、きっと達成できると思います。文化庁が京都に移転するという話がありますが、最終的には、観光庁が大分に移転したいというぐらいになればいいなと思っています。目標はあくまで高く、「目指せ、観光日本一」です。

(おわり)