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付加価値を高める

おはようございます。先週、沖縄の那覇で会議があったので出張してきました。沖縄は、まだ暖かいですね。気温は25℃ぐらい、外を歩くと汗ばむほどの陽気でした。こちらはお土産の「紫いものタルト」です。良かったら、召し上がってくださいね。沖縄は今、経済の調子がものすごく良いです。中国、韓国、台湾、香港といったアジアからの観光客であふれていました。大分も海外からの観光客を引き込んで盛り上げたいって思いましたね。

 

本日は、「付加価値を高める」というお題で、お話したいと思います。なんだかお固い話で申し訳ないのですが、実はそんなに難しい話ではないんです。今日、このラジオのリスナーの中には、色んな商品やサービスを世の中に提供してご商売されている方が少なからずおられると思います。その際に、商品やサービスに、他社にはない価値をなるべくプラスして、価値に見合った値段で売ること、反対に言うと、安売りに走らないことが、大分の経済にとってプラスになるというお話なんです。

なんで、そのように考えられるのか、順を追ってお話しますね。全国では、企業の利益率が過去最高の水準になっています。例えて言いますと、数年前までは売上高が100万円であった場合、企業の利益は2万5千円にとどまっていましたが、その後経営努力が実って、今や利益は4万5千円まで上がってきています。企業の利益が上がった分、従業員の方への給料も増えているんです。

ところが、大分県の企業をみますと、全国ほどには利益率が上がっていません。利益は数年前の2万5千円のまま、ほぼ横ばいなんですね。各企業も色んな努力をされていると思います。しかし、それがなかなか利益には結びつかず、横ばいが続いているんです。ただ、大分の企業の良さは、こうした状況であっても従業員への給料を一生懸命上げていることなんですね。3年連続で上がっています。

なんで、給料を上げているのか。従業員に報いたいという思いに加え、一つの背景として、労働力の不足が挙げられます。大分県では、労働力人口が急激に減少しているんです。1997年を100とすると、2015年は幾つまで落ちていると思いますか。実は91まで落ち込んでいるんです。ちなみに、全国は97です。大分の中小企業にうかがうと、今や最大の経営課題は従業員の不足になっているんですね。大分県の企業は、人材確保のために多少背伸びをして賃金引上げを行っている側面があるんですね。

ただ、給料の上げ方を細かくみると、賞与や特別手当といった一時金が中心になっています。利益がなかなか上がらないため、従業員の給料を一斉に挙げるベースアップ(ベア)や定期昇給はどうしても抑え気味になっているんですね。ベアを行うと、人件費が翌年以降も増加してしまいますので、どうしてもハードルが高いんです。

これを、働いている方の立場からみるとどうなるか。給料が上がっても一時金が中心だと、先行きはどうなるのかなあと、やはり心配が残りますよね。ベアや定期昇給といった恒常的な賃上げの方が安心です。安心できれば、買い物や旅行を楽しんだり、車や家を買ったりもしやすくなります。個人がそうした消費を増やすと、企業の売上げが増えて利益が出るので、また給料を増やすというプラスの循環が生まれる可能性が高まるわけです。

こうして考えますと、今後も大分県でプラスの循環(賃上げ→個人消費増加→売上高と収益の拡大→賃上げ)を続けるためには、県内企業の利益率の確かな向上とそれに伴うベアなどの賃金上昇が必須と考えられます。

企業が、利益率を確実に上げるにはどうしたらよいか。色んな方法がありますが、一つ注意しないといけないことがあります。それは、人口が減少して県内あるいは全国のマーケットが縮小する中で、安売り合戦をしても、体力を消耗する可能性が高いことです。ごく一部の企業が潤っても、多くの企業が共倒れとなるリスクがあるんですね。

このため、今大事なことは、冒頭で申し上げたように、いかに商品やサービスに他社とは違う新しい価値を付けて、消費者に満足感と値ごろ感を感じてもらいながら売るかになると思います。

そういうと大げさですが、これは誰もが意識できることです。一つ例を言ってみますね。例えば、先ほどのお土産ですが、私は那覇空港で、何十種類もあるお菓子の中から、この「紫いものタルト」を選びました。なんで選んだのでしょう。沖縄の素材で美味しそうだったのが一番ですが、そのほかにも、パッケージが都会っぽくて格好良かった、お値段が高すぎず安すぎずでちょうどよかった、お2人が甘いお芋が好きそうだったなど、色んな理由があります。こうした買い物客のニーズを見極めて、それに応じた新しい商品の開発やサービスの磨き上げを行えば、顧客はついてくると思います。安売りせずとも適正な価格で売れると思うんですね。こうした企業努力が「付加価値を高める」ということになります。

言うはやすくで難しいぞとお叱りを受けそうですが、県内企業が「付加価値を高める」という意識を共有した時、大分県経済のプラスの循環が力強く回転すると感じています。そうしたことも頭の隅に置いておいて頂けたら嬉しいなと思います。本日の私からのお話は以上です。どうもありがとうございました。

(終わり)