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電力小売自由化に関するアンケート調査

今回は、大銀経済経営研究所の川野 恭輔さんにご出演頂きました。

 

■はじめに、大分県内の最新経済動向はどうなっていますか?

県内経済は緩やかながら一部に持ち直しの動きがみられています。項目別にみますと、雇用動向は引き続き改善傾向で推移しており、生産面では持ち直しの動きがみられています。また、住宅着工は底堅く推移し、観光面では「九州ふっこう割」等の支援策により回復の動きが続いています。

 

■今回は、電力小売自由化に関するアンケート調査をされたとの事ですが・・・

一般家庭向けの電気は、今年3月まで各地域の電力会社だけが販売していました。しかし4月の電力小売自由化により、様々な事業者で電気を販売することが可能となり、消費者は電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになりました。

そこで当研究所では、電力小売自由化に対する認知度や電力会社の切り替え状況等を調査するため、県内の大分銀行各支店窓口に来店されたお客様にご協力をいただき、「電力小売自由化に関するアンケート調査」を実施しました。

 

■実際に電力小売自由化の内容を把握している方はどのぐらいいましたか?

アンケート調査結果では、電力小売自由化の「内容を詳しく知っている」が4%、「聞いたことがあり、ある程度内容を把握している」が36%、「聞いたことはあるが、あまり内容を把握していない」が58%、「全く知らない」が2%となりました。電力小売自由化という言葉を聞いたことがある人は100%近くとなっていますが、内容を把握している人は4割程度にとどまっています。

また、男女別にみますと、女性よりも男性の方が電力小売自由化に対する関心が高いようです。

 

■電力会社を切り替えた世帯はどのくらいでしたか?

電力会社を切り替えたかどうかを尋ねたところ、「切り替えた」が2%、「切り替えていない」が98%と、電力会社を変更していない世帯がほとんどでした。

経済産業省が電力小売自由化前の昨年11月に実施したアンケート調査では、全国の「電力会社の切り替え意向」は「すぐにでも変更したい」「変更することを前提に検討したい」の合計が20%を超えていましたので、大分県の現状は、まだ様子見で慎重に検討している人が多いことがうかがえます。

 

■「切り替えない理由」や「切り替えを検討する際に重視するポイント」はどのような結果でしたか?

電力会社を切り替えていない理由のベスト3は、「契約変更が面倒だから」「電力自由化に関する情報が少ないから」「プランの比較検討が面倒だから」の順となっています。契約変更やプランの比較検討が面倒といった意見が上位を占めており、切り替えにかかる時間や労力といった「手間」が切り替えの足かせとなっている状況がうかがえます。また、約3割が電力小売り自由化に関する情報が少ないと回答しており、情報不足のため切り替えに至っていない状況もみられます。

一方、切り替えを検討する場合の重視ポイントのベスト3は「電気料金単価」「魅力的な料金プランの充実」「容易な手続き」の順となっています。「電気料金単価」「魅力的な料金プラン」の回答が半数以上を占め、電気料金の安さが購入先を選択する大きなポイントとなっています。

 

■今後、電力会社を切り替える予定があるかどうかの調査結果はどうでしたか?

今後の電力会社の切り替え予定ですが、「半年以内に切り替える予定」が1%、「1年以内に切り替える予定」が2%、「当面は現在の電力会社を利用する予定」が54%、「電力会社を変更する予定はない」が42%となりました。様子見の人が5割超、切り替えを考えていない人が4割超となる一方、1年以内に切り替えを考えている人は約3%と、今後の切り替え意向は低調という結果となりました。

 

■最後に、今回の調査を通じて分かったことを教えてください。

今回のアンケート調査では、県内の電力会社の切り替えは様子見の人が多く低調な動きにとどまり、今後の切り替え意向も低いことがわかりました。切り替えが低調な理由としては、電力小売自由化に関する情報提供・PRが不足しており、県民の関心が高まっていないことがあります。現状、電力小売自由化は盛り上がりに欠けた状況になっています。

しかし一方では、10月より一般家庭向けの電気販売に乗り出す県内地場企業が現れるなど新たな動きもみられています。いずれにせよ、今回の電力小売自由化という規制緩和により、電気料金の低下や他サービスとのセット販売による割引、家庭の省エネ診断サービスなど、新たな商品やサービスが生まれ、生活の利便性が向上していくことを期待したいです。

(終わり)