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2016年の大分県経済を振り返る

今回は、大銀経済経営研究所の近藤 卓さんにご出演頂きました。

 

■まず、はじめに、大分県内の最新経済動向について教えて下さい。

県内経済は、緩やかながら一部に持ち直しの動きがみられます。乗用車の新車販売台数は、前年同月比マイナス(前年の同じ月よりも販売台数が減った状態)が続いていましたが、10月に22ヶ月ぶりに前年同月比プラスとなり11月も引き続きプラスとなるなど、下げ止まりの動きとなっています。また、雇用は10月の有効求人倍率が1.30倍と、4ヵ月連続で過去最高を更新し、高水準で推移しています。

■今回は、2016年の大分県経済を振り返って頂くということですが、まずは?

(1)熊本地震の発生

4月14日21時26分にマグニチュード6.5の前震が、28時間後の4月16日1時25分にマグニチュード7.3の本震が発生しました。16日の本震では、熊本県益城町で震度7、県内でも別府市や由布市で震度6弱を観測し、大きな被害がありました。

当研究所では、熊本地震による県内への影響を把握するために各種アンケートを実施しました。調査結果は当研究所の月刊誌で公表しており、9月号で「熊本地震の県内企業への影響に関するアンケート調査」、10月号で「事業継続計画(BCP)策定に関するアンケート調査」と「防災意識に関するアンケート調査」を掲載しています。なお、このコーナーでも8月に「熊本地震の県内企業への影響に関するアンケート調査」、9月に「防災意識に関するアンケート調査」の概要を紹介しました。

「防災意識に関するアンケート調査」では、地震による防災意識の変化に対する質問で「地震直後は防災に対する意識は高まったが、今はやや薄れている」という回答が約7割を占めました。このアンケートは地震発生から約3ヶ月が経過した7月に実施していますので、それからまた5ヶ月が経過した現在では、さらに多くの人が防災意識が薄れていると思われます。防災意識を高いまま維持していくのは簡単ではありませんが、食料品・飲料水の備蓄や家具の転倒防止対策を行い、それを定期的に確認するなど、すぐに出来ることから始めることも1つの方法だと思われます。

また、熊本地震は県内観光に大きな影響を与えました。県の観光動向調査によると、熊本地震直後のゴールデンウィークは、前年に比べて観光施設の入込み客数が47%減、宿泊客数が35%減と大幅なマイナスとなりました。このように一時は大きく落ち込みましたが、7月以降は「九州ふっこう割」などの支援策の効果もあり、県内観光は回復に向けた動きがみられています。

■続いての今年の県内経済関係の出来事は大分トリニータですね!

(2)大分トリニータがJ2復帰決定

大分トリニータは11月20日に行われたガイナーレ鳥取とのリーグ最終戦に4対2で勝利し、J3での優勝、J2への復帰を決めました。昨シーズンは、ホームでの勝率は8割と、アウェイでの勝率5割を大きく上回っており、サポーターの声援が選手を後押ししたと思われます。

当研究所では、毎年初めに大分銀行の窓口に来店されたお客さまを対象に、アンケート調査を実施しています。アンケートでは試合の観戦意向や、強化して欲しい取組などをお伺いしています。永年、大分トリニータで活躍してきた「Mr.トリニータ」高松選手が引退を発表するといった残念なニュースもありましたが、今回、J2への昇格を決めたことで、来年は試合を観戦したいと考える人が増えることが期待されます。アンケートの結果については、来年3月頃の当研究所月刊誌に掲載する予定です。

■それから、空の便でも話題がありましたよね。

(3)大分空港と台湾の台中市を結ぶ定期チャーター便が就航

9月に大分空港と台湾中部の台中空港を結ぶチャーター便が就航しました。当初は12月25日までの運行予定でしたが、搭乗率が好調なため、来年3月23日まで延長されています。

また、今年2月には由布院温泉旅館組合と台中市温泉観光協会が観光友好交流協力の協定書に調印、9月には大分県と台中市が友好交流に関する覚書を締結、10月には台中市政府観光局が大分県を訪れてサイクリング交流の推進が提案されるなど、交流の促進に向けて様々な取組が行われています。

なお、県が公表している観光統計調査により昨年の外国人宿泊客数の国・地域別割合を見ると、1番多いのは韓国で56%、2番目に多いのが台湾で14%となっています。台湾には親日的な人が多いといわれ、熊本地震や東日本大震災の際には多くの義捐金が寄せられました。今後も、大分県と台湾で人や経済の相互交流が進んでいくことを期待しています。

■そして、別府の温泉観光もいろいろと話題になりましたよね。

(4)別府市で「別府ONSENアカデミア」開催

別府市で、先月「別府ONSENアカデミア」が開催されました。期間中は、食の大宴会やBEPPUダンスフェスタ、千灯明(せんとうみょう)など、様々なイベントが行われました。

また、シンポジウムが開催され、増え続けている外国人観光客への対応、温泉エネルギーの活用と保護、医療や健康分野での活用などについて議論が行われました。

当研究所でも、温泉が大分県の観光に果たしている役割は大きいと考えており、温泉の現状と可能性についての調査を行っています。結果がまとまりましたら、公表したいと考えています。

■最後に、改めて、今年の県内経済についてどのようにお考えですか?

今年の大分県経済は、4月の熊本地震の発生により観光面を中心に大きな影響を受けましたが、その後は緩やかな持ち直しの動きとなっています。来年は、この持ち直しの動きが本格化していくことを期待しています。

(おわり)