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大分県の人手不足について

おはようございます。三寒四温といいますが、日中は随分温かくなってきましたね。先週末、大分トリニータのホーム開幕戦を応援しに、大銀ドームまで行ってきました。明るい陽射しの下で、トリニータの選手たちが躍動して見事に勝利をつかみました。今年もしっかり応援していきたいと思います。

 

さて本日の話題ですが、最近、大きなターニングポイントを迎えているなと感じていることについて。それは、大分県における人手不足の問題です。

人手不足か否かを判断する際、良く参照されるデータが、「有効求人倍率」です。聞き慣れない言葉で恐縮なんですが、これは、仕事が欲しいという求職者の方の人数と、従業員が欲しいという企業の求人の人数を比較したデータです。当県の有効求人倍率は、今年1月末に1.34倍と、これまでで最も高い数値になりました。これは、求職者の方100人に対して、求人数が134人いる状況で、割り算をして1.34倍と計算しています。つまり、現在は、求職者を大幅に上回る求人がある「人手不足」の状態なんですね。

このように有効求人倍率が上昇している背景には、少子高齢化のために人口減少が進んで、求職者が減ってきている一方、景気の緩やかな持ち直しを受けて求人が増えていることが挙げられます。

全国は1.43倍なので、これにはまだ及びませんが、大分県の倍率はこの1年ぐらい上昇スピードが加速しています。そのうち全国に追いつくかもしれません。実際、大分県の企業が、県内でうまく採用できないために、福岡など他県で求人をしているケースもあります。こうした部分も加味して計算すると、大分県の有効求人倍率は1.42倍と、全国とほぼ同水準になっているんです。

九州の中で比較してみると、熊本県が一番高くて1.64倍。これは、熊本地震からの復興のための工事等で人手がひっ迫しているためです。そして、宮崎県(1.45倍)と大分県(1.42倍)が2番手集団となっています。

企業の求人が多くなっている業種をみてみますと、まず建設業ですね。若い方の希望者があまり多くないことに加え、熊本県に人材が流出しているので、人手不足に拍車が掛かっています。製造業も、人繰りがタイトですね。自動車の売れ行きが良いので、県北の自動車製造関連企業を中心に活況を呈しています。また、県内への観光客が底堅いので、観光関連の業種、例えばホテル、旅館、飲食サービス、運輸(タクシー、バスなど)の求人が増えています。これは、今後、大分県で観光がどのぐらい盛り上がるかにも影響を受けると思います。さらに、情報通信業も新たに進出したコールセンターなどが県内で採用を始めたので、求人が増加しています。

求人の状況を企業の規模別にみると、中小企業や零細企業がひっ迫しています。求人数の増加分のほとんどが、従業員100人未満の中小・零細企業で占められています。同じように求人をしても、給与水準や知名度、安定性に富む大企業、中堅企業から就職が決まってしまうため、中小・零細企業は人手が足りない状態が続いているんですね。こうした人集めのご苦労が続くと、企業の中には「新たな事業を展開してみたいけど、人手がないから止めておこうかなあ」とか「従業員が減ったから、事業を縮小しよう」、さらには「後継者もいないし、もう廃業するしかないか」と考える先が増えてくると思います。こうなると、大分県経済を支える企業の活動が大きな制約を受ける事態に陥ってしまいます。

こうした状況に対して、どんな手が打てるでしょうか。企業では、人材が確保できないならと、様々な業務の自動化やロボット化を進めています。ただ、それだけで問題を解決することは困難です。やはり、労働力となる人の数を増やす努力も必要ですね。最初に申し上げた通り、当県も人口減少社会に突入していますので、例えば、現在は仕事についておられない女性や高齢者の方々に仕事を始めてもらうことや、外国人労働者の採用を拡大すること、いったん大分から他県に出て行った方々にUターンしてもらったり、他県の方に大分に移住してもらうことなどが解決方法になると考えられます。

実際にこうした対応を進めるためには、女性や高齢者の方々が働きやすい職場環境を官民が一緒になって整備したり、大分県の様々な魅力を一層高めて、上手に発信していくことが大切だと思います。道のりはなかなか険しいですが、地道な取り組みを続けないと、大分県の産業や生活の基盤が縮小してしまいます。人手不足が全国並みまで厳しくなってきたこの時期を当県経済のターニングポイントと捉えて、大分県で働いてくれる方を発掘する活動を本気で行うことがとても重要と思います。

(おわり)