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「大分駅南土地区画整理事業」の事業効果について

今回は、大銀経済経営研究所の河野 祐子さんにご出演頂きました。

 

■まず、はじめに、大分県内の最新経済動向について教えて下さい。

・個人消費は、飲食料品や衣料品等で鈍い動きがみられるものの、乗用車販売が堅調に推移しています。

・観光では、1,2月は弱い動きが続いていましたが、3月には宿泊客数も回復してきています。中でも外国人観光客は伸びています。

・住宅投資や公共投資は全体的に持ち直してきており、さらに有効求人倍率が1.3倍台と高水準に推移しています。

そうした動きから、現在の県内経済は緩やか持ち直しています。

 

■今日はどのようなお話でしょうか?

先月の3月に20年の歳月をかけて、ようやく「大分駅南土地区画整理事業」が竣工しました。大分駅を中心とするエリアでは、この「大分駅南土地区画整理事業」と、鉄道を高架した「大分駅付近連続立体交差事業」、そして幹線道路整備の「庄の原佐野線等関連街路事業」の3つを総称した「大分駅周辺総合整備事業」が実施され、全体が完成しました。

大分駅ビルをはじめとする商業施設、ホルトホール大分や「おおいたいこいの道」といった広大な広場など公共施設が整備され、以前「えきうら」と呼んでいた頃とは大きく様変わりしています。

今日は、そのようなまちづくりのハード整備事業である「大分駅南土地区画整理事業」の事業効果について、大分市が3月に発表していますので、ご紹介したいします。

 

■まず、大分駅南地域の人口の動向は?

事業が着手される前の平成8年時点での区画整理事業区域内の人口は、3729人でしたが、事業の進捗に伴う地区からの人口の転出・移転が起こり、事業開始10年目の平成18年は2569人と一時的に減少します。

しかし、分譲マンションの販売、賃貸マンションの建設が進んだ結果、それから20年後の事業完了前年の平成28年には4202人と人口は13%増加しています。

特に、教育施設等の利便性が高い立地が好まれ、駅南周辺では、30,40代のファミリー層の年代、それに伴い子どもの数も増えています。

 

■地域の経済活動への事業効果についてはいかがですか?

大分駅南地区のある一定の範囲で事業所数や従業者数の推移をみてみますと、事業着手前の平成8年は528事業所あり、従業者数は6982人となっていました。

事業期間中に、アミュプラザなどの大型商業施設や複数の民間事業所の立地、医療福祉施設の立地が相次ぎ、平成28年の10月時点の推計では632事業所と100あまりの事業所が増え、従業者数も700人程度増加し7704人となっています。

 

■土地区画整理事業による経済波及効果についてはどうですか?

次に、大分市では事業期間の20年間について区画整理事業区域内の経済波及効果の推計結果を発表しています。推計の対象となるのは、区域内で新規の建設に架かる費用に該当する民間建設投資。そして大分市の事業実施にかかる公共施設整備事業費(道路整備や公共施設ホルトホールなどが含まれる)です。

まず、20年間の民間建設投資(新しく建替えられた戸建て住宅や、新規のマンション、アミュプラザをはじめとする商業施設やオフィスなど)の合計は約920億円、公共施設整備費用は約117億円と推計されます。これらの投資額約1037億円が大分県内にもたらした経済波及効果は約1609億円と推計されています。

 

■地区内にお住まいの方へのアンケート結果はいかがでしたか?

ここまでのお話では、大分駅南の土地区画整理事業は、駅周辺において商業を中心とした経済活動を活発化させ、事業による大きな経済波及効果を生みだしていることがわかりました。では、実際に地域にお住まいになっている住民の方々がどのように生活利便性などの社会的効果を感じているか、住民アンケート調査の結果をご紹介します。

住民アンケートの回答者は、3割が事業前からお住まいの方、7割が他地域からの移り住んでいる人です。他地域から移り住んだ人が、駅南を住まいに選んだ理由に、5割の人が「買い物、公共施設、金融機関、病院等の生活利便性」をあげています。そして、現在の住まい環境については「とても住みやすい」と感じている人は5割以上、「まあまあ住みやすい」は約4割と、9割以上が「住みやすい」と感じていることがわかりました。住みやすい理由としては「公共交通機関の利便性」や「ホルトホール大分などの公共施設」、「商業施設が充実している」ことが大きいと言えます。さらに、整備後の居住の暮らしの変化については、「中心市街地での買い物の機会が増えた」「まちなかや地域のイベント、祭りに行く機会が増えた」「図書館利用で読書の機会が増えた」「散歩やランニングなどの健康づくりの機会が増えた」と、生活利便性のほかに文化的で健康な生活を実現できる環境に、まちなか居住の効用を見出している人が多いといえます。

 

■最後に今回の調査のまとめをお願いします。

「大分駅周辺総合整備事業」では、渋滞の原因となっていた13箇所もの踏み切りが撤去され、周辺の街路の拡幅整備、安全でスムーズな交通の確保がなされ、幅100m、長さ444mの「おおいたいこいの道」といった広場など魅力的な都市空間ができあがりました。

今では大分駅南周辺は、魅力あるまちなか居住の環境整備が進み、子育て世帯を中心に人口・世帯数は増加基調にあります。交通機能、商業・文化機能が充実し、同時に自然に囲まれた環境は、市内でも人気の居住エリアともなっています。20年間という長期にわたる総合的な事業により、中心市街地商業・業務施設が民間投資により集積し、「駅南・情報文化都心」として将来にわたり、地域を活性化させるエリアに生まれ変わったといえます。

(終わり)