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2017年度 新入社員意識調査について

今回は、大銀経済経営研究所の坂本 亮さんにご出演頂きました。

 

■はじめに、大分県内の最新経済動向はどうなっていますか?

県内経済は、持ち直しています。生産は一部に弱い動きがみられますが、乗用車販売は着実に回復しています。観光では持ち直しの動きが強まり、特に外国人観光客が増加しています。そのほか、雇用では有効求人倍率が1.43倍と、2ヵ月連続で過去最高を更新し、引き続き高水準で推移しています。

 

■今回は、今年度新入社員の意識調査をされたとの事ですが・・・

今年の新入社員が就職活動を行った2016年度は、企業の人手不足を背景に、全国的に新卒の採用が活発となりました。厚生労働省と文部科学省が行った調査によりますと、全国の大学卒業者の就職率は、今年の4月1日時点で97.6%となり、1997年3月卒の調査開始以来、過去最高の水準となりました。

こうした中、当研究所では、県内の新入社員を対象に、県内企業に就職を決めた理由や仕事に対する意識についてアンケート調査を実施しました。

 

■まずは、就職活動が「厳しかった」とか「順調だった」などという感想はどうでしたか?

就職活動の感想について尋ねたところ、「厳しかった」が37.4%と最も高く、次いで「それほど厳しくなかった」、「順調だった」、「大変厳しかった」、「楽だった」の順となっています。「大変厳しかった」と「厳しかった」との回答の合計は45.8%と、昨年より若干上昇しましたが、同項目の調査開始以降で3番目に低い結果となっています。就職した会社が第一希望であったか尋ねたところ、7割近くが第一希望の会社に就職していることが分かりました。以上のことから、昨年の就職活動は、厳しさの和らいだ状況にあったといえます。

 

■会社を選んだ理由、そして、県内の企業に就職した理由はどのような結果でした?

今の会社を選んだ理由は「仕事の内容」が44.1%と最も高く、次いで「地元企業」、「労働条件」の順でした。男女別でみると、それぞれ「仕事の内容」に次いで、男性は「地元企業」、女性は「労働条件」となっていました。このことから、仕事の内容とともに、男性は地元で働くことが出来るか、女性は働きやすい環境かをポイントに会社を選んでいることがうかがえます。

また、県内企業に就職した理由について尋ねたところ、例年通り「地元への愛着」が35.2%と最も高く、次いで、「家族や友人が近くにいるため」、「希望の会社があったため」の順でした。過去3年の調査結果をみると、「家族や友人が近くにいるため」が上昇傾向にあるため、近年の新入社員は、地元愛だけでなく、家族や友人が近くにいることを重視する傾向にあるようです。また、最終学歴別でみると、大学・大学院卒は「地元への愛着」が5割近くと、地元愛をもつ人が特に多いようです。

 

■就職した会社で働きたい期間や目指す役職についてはどうでしたか?

今の会社でいつまで働きたいか尋ねたところ、男性は「定年まで」が46.9%と最も高く、次いで「とりあえず今の職場で働く」、「将来独立するまで」の順となり、半数近くが現在の会社で定年まで働くことを考えているようです。一方で、女性は「とりあえず今の職場で働く」が58.1%と最も高く、次いで「結婚するまで」、「定年まで」、「子どもが生まれるまで」の順となり、結婚や出産をひとつの区切りと考えている人が2割程度いる結果となりました。人手不足の背景もあるため、今後は女性が結婚後や出産後も働ける環境への整備を推進する必要があると考えられます。

目指す役職について尋ねたところ、「役職にはこだわらない」が58.6%と最も高く、次いで「管理職」、「中間管理職」の順でした。過去3年の調査結果から、「役職にはこだわらない」が年々上昇傾向にある一方で、役員以上との回答が低下傾向にあり、近年新入社員の出世願望が薄れてきているようです。

 

■理想の上司についての調査結果はいかがでしたか?

理想の上司について尋ねたところ、「仕事の目標、やり方などはっきり指示してくれる」が37.0%と最も高く、次いで、「仕事以外でも相談にのってくれる」、「自分の意見をよく聞いてくれる」の順となりました。2011年以降「仕事以外でも相談にのってくれる」が最も高かったのですが、2015年から「仕事の目標、やり方などはっきり指示してくれる」が上昇傾向にあり、今回の調査で最も高い結果となりました。このことから、最近の新入社員は上司からの明確な指示を求める傾向にあるようです。

 

■初任給の使い方はどのような結果でしたか?

初任給の使い方についてのトップ3は、「家族へのプレゼント」「預・貯金」「生活費」の順となりました。過去5年の調査結果をみると、「家族へのプレゼント」は毎年トップであり、今年の調査を男女別でみても、それぞれ6割以上が「家族へのプレゼント」と回答しています。初任給の使い方として、「家族へのプレゼント」は定番化しているようです。他の項目では、男性は「預・貯金」との回答が4割でしたが、女性では5割を超えており、女性は貯蓄への関心が男性に比べ、高いことがうかがえました。なお、その他の意見として、「自分の欲しいものを購入する」や「奨学金の返済」といった意見もありました。

 

■今回の調査を通じてどのような感想をお持ちですか?

公益財団法人日本生産性本部では、毎年新入社員のタイプを発表していますが、今年の新入社員のタイプを「キャラクター捕獲ゲーム型」としました。具体的には、「はじめは熱中して取り組むが、飽きやすい傾向も。モチベーションを維持するためにも新しいイベントを準備して、飽きさせぬような注意が必要」と説明しています。今年の新入社員は、仕事が自分の適性にあっているかといったことや、職場の人間関係に不安を抱えていることもアンケートから分かりました。また、明確な指示や目標を提示してくれる上司を求めている傾向にあるため、上司や先輩は新入社員を上手く導き、新入社員は上司や先輩の期待に応え、「キャラクター捕獲型」と言わせないよう、活躍してもらいたいと思います。

なお、アンケート調査の詳細につきましては、当研究所が毎月発行する「おおいたの経済と経営」の7月号に掲載します。ご興味のある方は、大銀経済経営研究所、電話番号097-546-7770までお問い合わせください。

(終わり)