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企業の学生採用、学生の就職に関する調査について

今回は、大銀経済経営研究所の近藤 卓さんにご出演頂きました。

 

■まず、はじめに、大分県内の最新経済動向について教えて下さい。

県内経済は、持ち直し基調にあります。生産は横ばい圏内で推移していますが、公共工事は大型工事の発注などから前年を上回る水準で推移しています。また、有効求人倍率は高い水準で推移しています。

 

■今日はどのようなお話でしょうか?

先ほどお伝えしましたとおり、県内の有効求人倍率は高い水準で推移しています。全国的にも同様で、最近、人手不足に関連したニュースを見たり聞いたりすることが増えたと感じる人は多いと思います。

大銀経済経営研究所では、企業と学生それぞれの意識を調査するため、県内の企業へ新卒者の採用についてのアンケートを今年1月に、また、県内の学生へ就職についてのアンケートを昨年12月に実施しました。

 

■まず、企業へのアンケートはいかがでしたか?

企業向けのアンケートでは、当研究所の会員企業を対象として、従業員数の過不足感や新卒者の採用状況などを調査しました。

まず、現在の従業員数の過不足感を尋ねたところ、「不足している」が3割弱、「やや不足している」が約4割となり、6割を超える企業が人手不足を感じている結果となりました。

業種別にみると、建設業、運輸・情報通信業、医療・福祉で人手不足を感じる企業が多く、特に建設業では人手不足を感じる企業が9割弱を占めました。

 

■企業における新卒者の採用状況はどうでしたか?

この1年間に新卒者の採用を計画していた企業に、当初の計画に比べてどの程度採用できたかを尋ねたところ、「採用予定はあったが採用できなかった」が約3割、「計画を大幅に下回った」が約1割、「計画をやや下回った」が2割強となり、採用を計画していた企業の約3分の2が計画通りには採用できていませんでした。

また、採用計画を下回った企業にその理由を尋ねたところ、「採用申込者数の減少」が約7割と最も多く、次いで「採用基準に見合う学生の不足」が約2割、「内定辞退者数の増加」が約1割と続きました。県内企業では、内定辞退者数の増加よりも、採用申込者数の減少を強く感じているようです。

 

■企業が採用募集時に学生に伝えている情報とはどのような情報なんでしょうか?

採用募集時に学生に力を入れて伝えている情報を尋ねたところ、「具体的な仕事内容」が約8割と最も多く、次いで「会社が求めている人物像」が約5割、「会社の業績・将来性」が約3割と続きました。

 

■続いて、学生向けのアンケート結果はいかがだったのでしょうか?

学生向けのアンケートでは、県内の大学生や短大生を対象として、就職に関する意識などを調査しました。

まず、どのような就職先を希望するか尋ねたところ、「地域で活躍する中小企業・機関を優先したい」が約5割と最も多く、次いで「知名度のある大企業・機関を優先したい」が約2割、「成長が期待できるベンチャー企業等を優先したい」が約1割と続きました。

また、就職先を選ぶときに重視するのは何かを尋ねたところ、「自分のやりたい仕事ができること」と「安定していること」が約6割、「働きがいのあること」と「社風が良いこと」が約5割と続きました。

 

■学生が就職活動で知りたい企業の情報についてはどうでしたか?

就職活動をするにあたり、企業のどのような情報を知りたいか尋ねたところ、「具体的な仕事内容」が約8割と最も多く、次いで「会社の雰囲気」が約6割、「会社が求めている人物像」が約5割と続きました。

男女別にみると、男性は女性よりも給与水準や会社の業績・将来性などを知りたいという回答が多く、女性は男性よりも会社の雰囲気や会社が求めている人物像、福利厚生の充実度、若手社員の職場体験談など、職場の情報について知りたいという回答が多くなっています。

 

■最後に、改めて、今回の調査結果からどのようなことが分りましたか?

企業が採用募集時に学生に力を入れて伝えている情報と、大学生や短大生が就職活動で知りたい企業の情報を比較すると、「具体的な仕事内容」や「会社が求めている人物像」、「会社の業績・将来性」などの項目は両者とも重視しており、学生が知りたい情報と、企業が力を入れて伝えている情報は一致しています。

一方で、「会社の雰囲気」や「福利厚生の充実度」、「若手社員の職場体験談」といった項目については、学生、特に女性では知りたいという人が多いのですが、力を入れて伝えている企業は少ない状況です。

人手不足感が高まり各社が採用に力を入れている中で新卒者を確保するためには、学生が知りたいと思っている職場の雰囲気や福利厚生、職場体験談等をこれまで以上にしっかりと伝えることが重要だといえます。

(終わり)