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ボランティア活動の調査について

今回は、大銀経済経営研究所の野上 諭さんにご出演頂きました。

 

■まず、はじめに、大分県内の最新経済動向について教えて下さい。

県内経済は、緩やかに持ち直しています。生産は一部弱含みで推移していますが、乗用車販売は小型乗用車や軽乗用車の販売台数が伸びており、着実に回復しています。公共工事は件数・請負金額ともに前年を上回る水準で推移しており、有効求人倍率は引き続き高い水準で推移していますが、それに伴い人手不足を感じる業種も増えているようです。

 

■今日はどのようなお話でしょうか?

今日は、総務省「社会生活基本調査」の結果を用いて、ボランティア活動について取り上げてみることにしました。

昨年の熊本地震、そして今年は、日田市の豪雨被害、先月の台風による、津久見市の広域的な川の氾濫被害など自然災害が起こっていますが、そのたびにボランティアの要請や活動が必要とされ、関心も高まっています。

報酬を目的とせずに、地域社会や個人・団体のために行う活動に、1年のうちに1度でも参加した人の割合をボランティア活動の行動者率やどのような種類の活動に参加したか、また男性と女性、年齢別に特徴があるのかなどお話していきたいと思います。

 

■大分県民のボランティアへの参加具合は?

「平成28年社会生活基本調査」の結果では、大分県民の中で過去1年間に「ボランティア活動」を行った人は、約30万人、10歳以上人口に占める割合で示す行動者率は29.8%と、全国の26%よりも高い水準となっています。また総務省のランキング発表によると、大分県は全国で19位、九州内では、全国第3位の鹿児島、佐賀県、熊本県に続き第4位となっています。また、この行動者率は、平成18年調査では30.9%でしたので、現在も高い水準を維持しています。

また、ボランティア活動をする人は、地域社会とのつながりの強い町内会等を通じて参加している人が多いようです。

 

■具体的にどのような種類の活動に参加しているのですか?

大分県民の中でボランティア行動者の参加の状況は

1番目 まちづくりのための活動

2番目 子供を対象とした活動

3番目 安全な生活のための活動

4番目 高齢者を対象とした活動 と続いています。

「災害に関係した活動」は選択肢10個のうち下から3番目、行動者率は1.7%にとどまっています。(行動者率は10歳以上人口に占める割合)

ちなみに、平成28年4月に地震に見舞われた熊本県では、同年10月時点の今回の調査では、この「災害に関係した活動」についての行動者率は全国の1.5%に対して8.4%となっており、全国で第1位です。熊本地震被害への支援を反映したものだと思われます。大分県は、行動者率は1.7%ですが、全国で第10位という水準で、被災者へのボランティア活動が広がっていたということがわかります。

 

■男性と女性とボランティア活動にそれぞれ特徴がみられますか?

まず、男性と女性の行動者率をそれぞれみると、男性は30.4%、女性は29.4%とほぼ同水準となっています。

活動内容を男女で比較すると、男性の方が高いのは、地域団体のリーダーとしての活動、地域おこしや交流活動などの「まちづくりのための活動」、そしてスポーツクラブの指導等の「スポーツ、文化・芸術・学術の活動」、献血等の「健康や医療」、通学路の安全見守り活動や交通安全運動等の「安全な生活のための活動」などでした。

逆に女性の方が高いのは、高齢者の見守り活動等の「高齢者を対象とした活動」、子供会の指導や学校行事に役員として参加するなどの「子供を対象とした活動」です。

 

■年齢ごとの特徴はありますか?

男女とも40代後半の年代のボランティア活動の行動者率が高く、男性は「まちづくりのための活動」、女性は「子供を対象とした活動」が最も多く、地域や学校を通じて参加しているようです。

また、特徴の一つに15歳から24歳の男性は、「健康や医療」という種類のボランティア活動への行動者率が最も高くなっています。具体的には献血への協力が想定されます。一方同世代の女性はというと、「健康や医療」活動への参加はごくわずかとなっています。

さらに、40代後半の年齢層の次に行動者率が高いのは、65歳から74歳です。この年代の男性は、町内会や老人会などを通じて、地域の通学路の安全維持や交通安全運動などの見守り活動「安全な生活のための活動」が多くなっています。確かに毎朝の登校途中の見守り活動や夕方の放課後パトロールなどに高齢の男性が一生懸命努めてくれいている姿をよくお見かけします。また、この年齢層(65〜74歳)の女性は、「高齢者を対象とした活動」です。具体的には、一人暮らし高齢者への食事サービスや見守り・訪問活動などです。

この年齢は団塊の世代といわれる方々ですが、退職後、地域の身近なところでボランティア活動に参加していることがわかります。

 

■最後に今回の調査のまとめをお願いします。

他にも、ボランティア活動の種類には、「自然や環境を守るための活動」や「国際協力に関係した活動」「障がい者を対象とした活動」などがあり、県内でも参加した方々も多くいます。

ボランティア活動と言っても様々で、自分の好きなことや興味のあることから参加してみるのが理想ですが、実際は、大袈裟に考えずとも意外と日常生活の中で自然体で、参加している人がほとんどのようです。

(終わり)