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2017年 大分県経済を振り返る

今回は、大銀経済経営研究所の坂本 亮さんにご出演頂きました。

■まず、はじめに、大分県内の最新経済動向について教えて下さい。

県内経済は緩やかに持ち直しています。個人消費では、大型小売店の販売動向は横ばいの動きとなっています。一方で、乗用車の新車販売台数は、着実に回復の動きを見せています。雇用は、10月の有効求人倍率が1.44倍、正社員有効求人倍率(正社員に限った倍率)が1.12倍となっており、高水準で推移しています。

■今回は、2017年の大分県経済を振り返って頂くということですが、まずは?

(1)九州北部豪雨および台風18号

まず、九州北部豪雨について、7月5日から6日にかけて、大分県を含む九州北部で、記録的な大雨に見舞われました。県による被害総額(個人住宅を含まず)は12月4日時点でおよそ289億円に上ると発表しています。特に、日田市や中津市に被害が多く見られました。他にも、豪雨発生直後に県内全体で延べ1.5万人以上の宿泊予約のキャンセルが発生するなど、観光面を中心に大きな被害がありました。

また、9月中旬に県下を直撃した台風18号については、県による被害総額(個人住宅を含まず)が、12月4日時点でおよそ224億円に上ると発表しています。特に津久見市や臼杵市に被害が多く見られました。JR日豊本線臼杵-佐伯間では土砂流入などにより不通となり、学生やサラリーマンを中心に大きな影響をあたえ、記録に残る出来事だったのではないでしょうか。

■一方で、大分県ではおめでたい話題がありましたね。

(2)祖母・傾・大崩(おおくえ)山系がユネスコエコパークに登録

大分県と宮崎県にまたがる祖母・傾・大崩(おおくえ)山系がユネスコエコパークに登録されることが6月に決定しました。ユネスコエコパークとは、生態系の保全と持続可能な利活用の調和(自然と人間社会の共生)を目的に、この目的が行われている地域が、世界遺産の登録で知られるユネスコから選ばれます。国内では、観光地として有名な鹿児島県にある屋久島も登録されています。

当地域には、原尻の滝や白水ダム、キャニオニングツアー(滝すべり)ができる藤河内渓谷といった見所のあるスポットが多くあります。今回の登録を機に、自然と共存しつつ、より多くの観光客が訪れる地域になることを期待したいです。

■そして、もうひとつおめでたい話題がありましたね。

(3)2019年ラグビーワールドカップ、県内で5試合の開催決定

2019年ラグビーワールドカップの大分会場で、ニュージーランドやオーストラリアなど強豪国の試合を含む計5試合が開催されることが決定しました。また、準々決勝が2試合も行われることから、大分会場での開催期間は19日間と、長く大会に関われることが決まっています。また、世界ランキング1位のニュージーランドと3位のオーストラリアの試合がそれぞれ行われます。他にも世界の強豪国の試合が行われるため、外国を含む多くの観光客の来場が期待されます。

ちなみに、観光庁によると、試合を行うオーストラリアは、国籍・地域別でみたとき、日本に訪れた外国人1人あたりの旅行支出が、約25万円と最も高いです。費目別に見ても、宿泊料金や娯楽サービス費が他国に比べ最も高く、特に娯楽サービスは、2番目に高いイタリアと比較すると、約18,000円と倍近い数字となっています。そのため、県内の遊園地のような娯楽サービス関連スポットにとって、集客数の増加とPRにつながる大きなチャンスなのではないでしょうか。

■それから、別府市のイベントが大きな話題となりましたね。

(4)「湯~園地」の開催

今年県内ニュースのなかでも、全国的に注目されたニュースのひとつが、「湯~園地」の開催ではないでしょうか。別府市主催により、別府ラクテンチで7月末に3日間開催され、8000円以上の運営資金を出資した合計約9000人が来園しました。最長4時間待ちの列ができるアトラクションもあり、湯~園地は大盛況に終わりました。別府市が発表した別府市内の経済への影響は、推計1億8千万円とのことです。そして、県外からの来園者が全体の44%ですから、別府市と大分の温泉をPRする大きなイベントになりました。

■最後に、2018年の大分経済について、どのようにお考えですか?

来年は、小室哲哉さんや田原総一郎さんら著名人が来県する「エンジン01文化戦略会議」や、国内一の文化の祭典こと「国民文化祭」。また、国東半島を中心に開催される「六郷(ろくごう)満山(まんざん)開山1300年」といった注目のイベントが控えています。そのため、県内外観光客やメディアが来ることが見込まれ、県内の観光や消費に良い影響を与えるのではないでしょうか。他にも、別府市で世界温泉地サミットが行われるので、「おんせん県おおいた」としてPRが成功し、外国人観光客の増加に繋がればと期待しています。また、来年のイベントで観光面を中心に弾みをつけて、2019年のラグビーワールドカップで、より多くの国外や県外旅行者の増加に繋がればと期待しています。

最後に、今回の話題として取り上げた国民文化祭やラグビーワールドカップについて、当社はアンケート調査を行い、当研究所が毎月会員向けに発行する「おおいたの経済と経営」に今後掲載予定となっています。ご興味のある方は、

大銀経済経営研究所(電話番号097-546-7770)

までお問い合わせください。

(終わり)