OBS

大分県経済の見通しについて

今回は、大銀経済経営研究所の近藤 卓さんにご出演頂きました。

■まず、はじめに、大分県内の最新経済動向について教えて下さい。

県内経済は、緩やかに持ち直しています。生産活動は横ばいで推移する一方、有効求人倍率は高い水準で推移し、観光は九州北部豪雨や台風といった災害の影響が次第に薄れ、持ち直しの兆しが見られています。

■きょうは、どのようなお話でしょうか?

大銀経済経営研究所では、先日、2017年度と2018年度の大分県経済の見通しを公表しました。

今回は、その概要について紹介します。

まず、今年度の上半期、4月から9月の県内経済を振り返ってみますと、個人消費は、7月の九州北部豪雨や9月の台風18号の影響を受けましたが、乗用車や家電など耐久消費財の買い替え需要による下支えもあって横ばいで推移しました。

生産活動は、大手製鉄メーカーでの生産設備復旧作業により一部の製品について生産が停止したため上半期前半はやや低調に推移しましたが、上半期後半は生産再開に伴う反動での増加などから緩やかな持ち直しの動きとなりました。

公共投資は、大分自動車道の震災復旧工事や大分川ダムの建設工事などの大型工事があり、前年度を上回る水準となりました。

雇用環境は、有効求人倍率(季節調整値)が6月に1.46倍となり過去最高値を更新するなど、高い水準で推移しました。

住宅投資は、JR大分駅周辺を中心にマンション着工が相次ぐ一方で、好調であったアパート建設需要が一服し、弱めの動きとなりました。

■2017年度の下半期の見通しは?

次に今年度下半期、10月以降の動きをみてみますと、個人消費は10月に台風が2度接近するなど上半期に引き続いて天候不順の影響がありましたが、11月以降は気温が例年より低めに推移しており、冬物衣料等の季節商品需要の高まりなどから緩やかに回復する見通しです。

生産活動は、海外経済が引き続き好調に推移すると予想されることから、緩やかに持ち直す見通しです。

また、雇用環境は、有効求人倍率が引き続き高水準で推移することが予想されます。

一方で、住宅投資はアパートなど貸家が弱含むものの、低水準が続く住宅ローン金利が下支えとなり、横ばい圏内で推移する見通しです。

また、公共投資は好調であった前年度下半期との比較では、やや減少する見通しです。こうした状況から、2017年度の県内経済は、前年度に比べて1.1%増のプラス成長を予測しています。

■来年度の見通しはいかがでしょう?

2018年度は、個人消費は緩やかな回復を維持することが予想されますが、家計の将来不安などから個人の節約志向は続くと見られます。このため、回復は小幅なものとなる見通しです。

生産活動は、米国の景気拡大や中国の景気回復に伴う輸出の増加により、緩やかながら回復する見通しです。

公共投資は、玉来ダム工事や県の屋内スポーツ施設建設工事といった大型工事に加えて災害復旧工事の発注も予想され、2017年度をやや上回る見通しです。

雇用環境は、少子高齢化に伴って15歳から64歳までの生産年齢人口が減少するという構造的な要因がありますので、求職者数の減少は続くと見られます。一方で、企業の人手不足感は強く、求人数は一定程度で推移するものと思われます。このため、有効求人倍率は高い水準を維持する見通しです。

住宅投資は、貸家は引き続き弱含む一方で、持家や分譲住宅については、年度前半は横ばい圏内で推移すると見られます。また、2019年10月に消費税率引き上げが予定されています。消費税率引き上げ前の駆け込み需要が、2018年度後半から2019年度半ばにかけて持家や分譲住宅を中心に発生することが見込まれます。この結果、住宅投資は前年度並となる見通しです。

一方、設備投資は、鉄鋼業や非鉄金属工業などで前年度に行われた大規模投資の反動により、2017年度を下回る見通しです。

こうした状況から、2018年度の県内経済は、2017年度に比べて1.3%増のプラス成長を予測しています。

■大分県経済の見通しは良さそうですね。

このように、当研究所では、大分県経済は2017年度は1.1%増、2018年度は1.3%増といずれもプラス成長となり、緩やかな持ち直しの動きが続くと予測しています。

2018年度は、観光関連では、「世界温泉地サミット」、「六郷満山開山1300年」、「国民文化祭」などのイベントが開催されます。こうしたイベントが大いに盛り上がり、明るい1年となることを期待しています。

なお、本日紹介しました大分県経済の見通しについての詳しい内容は、当研究所の月刊誌「おおいたの経済と経営」2月号に掲載します。また、ホームページにも掲載する予定です。ご興味のある方は、大銀経済経営研究所、

電話番号097-546-7770までお問い合わせください。

 

(おわり)