OBS

「2018年新入社員」の調査について

今回は、大銀経済経営研究所の東昂寛さんにご出演頂きました。
■はじめに、大分県内の最新経済動向はどうなっていますか?
県内経済は緩やかに持ち直しています。生産活動や個人消費、住宅着工は横ばい水準となっていますが、公共工事や観光では持ち直しの動きが見られます。雇用では有効求人倍率が過去最高を更新し、初の1.5倍台を記録しています。今年は記録的な猛暑が続いており、今後の経済活動にどのような影響があるか注視していきます。

 

■今回は、「2018年新入社員」のアンケート調査をされたとのことですが…
毎年行っているアンケート調査であり、大分県内の企業の新入社員を対象に、県内企業に就職を決めた理由や、仕事に対する意識についてアンケート調査を実施しました。今年の新入社員が就職活動を行った2017年度は新卒の採用が活発でした。厚生労働省と文部科学省が行った調査によりますと、今年の4月1日時点での大学卒業者の就職率は98.0%と、1997年3月卒業の調査開始以降過去最高となりました。また、高校卒業者の就職率は98.1%と、こちらも1991年3月卒業以来27年ぶりの高水準となっています。

 

■就職活動の感想についての結果を受けて、どのような印象ですか?

全国的に就職率が高かったためか、県内企業の新入社員も就職活動が「大変厳しかった」または「厳しかった」と回答した割合は43%と過去最低でした。また、「それほど厳しくなかった」と答えた割合は29%と前年度よりも約5ポイント上昇した一方で、「順調だった」や「楽だった」とした割合は合わせて27%と、前年度と大きな変化はありませんでした。併せて、就職した会社が第一希望かどうか尋ねたところ、75%が第一希望と回答しています。過去の調査と比較すると「厳しかった」と答える割合が減少傾向にあり、多くの人が第一希望の会社に就職していることから、就職環境は売り手市場が継続していると感じています。

 

■内定が決まった時期には、これまでと大きな変化はあったのでしょうか?
また、 企業の動きと何かかかわりがあったりするのでしょうか?

内定の時期は前年度から大きな変化は見られませんでした。これは経団連や厚生労働省が毎年定めている選考開始日が2017年度から変更がなかったためだと思われます。選考開始日は大学卒業者が6月1日、高校卒業者が9月16日でした。今回のアンケートでは大学卒業者の42%が、選考開始日を含んでいる「4月~6月」の間に内定が決まったと回答しています。また、高校卒業者は「10月~12月」に決まったと言う回答が43%で最多でしたが、「7月~9月」と答えた割合も35%でした。いずれも選考開始から短期間で内定が決まっていて、企業側の採用に対する積極性がうかがえる結果となりました。

 

■企業(会社)選びに重要視しているところはどんなところですか?
県内に就職しようと思っている学生は多いのでしょうか?

会社を選んだ理由を尋ねたところ、「仕事の内容」という回答が50%で最多でした。続いて「労働条件」が34%、「地元企業」が31%の順番でした。アンケートの結果では、今年の県内の新入社員の3割が地元企業であることを理由に就職しています。男女別に見ると、「労働条件」と回答した割合は女性の方が若干多く、「地元企業」と回答した割合は反対に男性が多い結果となり、男女で着目する部分が異なることが判明しました。男女差がはっきりあらわれたのは「先生・家族の勧め」と「自分の能力・適正」でした。「先生・家族の勧め」は女性が9ポイント、「自分の能力・適正」は男性が11ポイント高い結果となりました。また、県内企業に就職した理由を尋ねていますが、「家族や友人が近くにいるため」という理由が31%、「地元への愛着」が27%、「希望の会社があったため」が24%という結果になっており、大分に愛着のある人が多いのではないでしょうか。

 

■定年まで同じ企業(会社)に勤める学生は今、どれくらいいるのですか?

今の会社でいつまで働きたいか尋ねたところ、「定年まで」働くと答えた割合は全体の34%でした。しかし、この設問は男女差が非常に大きく、男性は46%で最多でしたが、女性は17%という結果でした。では女性がいつまで働きたいかというと、「とりあえず今の職場で働く」が52%で最多となりました。この選択肢は男性でも37%になっています。その他、男性は「将来独立するまで」、女性は「子どもが生まれるまで」と「結婚するまで」という回答がそれぞれ10%程度ありました。女性はライフステージの変化に伴った柔軟な働き方を考えているようです。

 

■新入社員の初任給は、当人たちも印象強く残るかと思いますが。
初任給”の使い方が気になります!どんな使い方をしているんでしょうか?

初任給の使い方を尋ねたところ、「家族へのプレゼント」が61%で最多でした。次に「預・貯金」が56%、「生活費」が37%、「友人・恋人との交際費」が17%という順番になりました。複数回答の質問でしたが、「家族へのプレゼント」と「預・貯金」が男女ともに過半数となりました。家族へのプレゼントを購入して、残りは貯金するという人が多いのではないかと思います。なお、「預・貯金」については男性が51%、女性が61%と、女性の方が堅実な傾向があることがうかがえました。また、「生活費」と答えた割合は37%で、どちらかというと実家暮らしの回答者が多いのではないかと思われます。ちなみに私は自分用にデジカメを買いましたよ。

(おわり)