OBS大分放送

1.開催日
平成14年5月27日(月)正午
2.開催場所
分放送本社 会議室
3.議題
[1]ラジオ・テレビ5月・6月特別番組について
[2]「メディア規制関連法案」をめぐるその後の動き及び取り扱いについて
[3]視聴番組
  テレビ 「窓をあけて九州 ~じいさんの願いごと~」
  放 送  平成14年5月12日(日)10:00~10:15
[4]その他
4.出席者
溝口 薫平(委員長)、赤尾 重信、川原  大、由佐 康子、田辺 正勝、草間 朋子、
伊藤  安浩、戸高  禮子
5.議事の概要
審議会は、宮崎社長があいさつで、「メディア規制関連法案」は、各局の番組審議会で熱心な議論が続けられており、「国民の知る権利」や「番組審議会の存在意義」など表現の自由を制限する恐れのある法案であるとして、反対の動きが広がっている。今回も引き続き議論を深めていただきたいと述べた。
続いて、ラジオ・テレビ、5月・6月の特別番組について担当者が報告したあと、先月に続いて「メディア規制関連法案」について審議を行った。
その結果、過剰取材やプライバシーの侵害などメディアは反省しなければならない現状は否定出来ないけれども、「個人情報保護法案」と「人権擁護法案」の2法案に関して、人権を守ることの大切さ、個人のプライバシーを確保することの大切さは重要であると考える。しかし、メディアを法律で一律に規制することは、「国民の知る権利」を脅かす恐れがあり反対である。より慎重な議論を尽くすよう強く求めたい。また、メディア側には、倫理と自主的なルールを創り、その成果があがるよう強力に推進すべきであるという厳しい注文を付けた声明を大分放送番組審議会として出すことで一致した。
<委員から出されたメディア規制関連法案についての意見の概要>
○メディア規制については、政府による圧力は好ましくない。
しかし、メディアの取材についてもある程度ルールを決めて、こういう姿勢で取材をすると示すことが必要だ。
○国が規制する形は良くない。その替わりメディア側の自主規制は必要で、その自主規制も時代の変化が激しい中で試行錯誤することになろう、良い方向を見つけて行くと良い。条件付けて反対したい。
○今、必要なことは、業界内ルールを作ること、今ある自主規制の機構をもっと強力にやってもらいたい。
○番組審議会委員は、視聴者・消費者の立場で考える。今まで、個人情報を守るとか、プライバシーを保護する必要性は10年も前から言われてることで、何らかの形でルール化することは必要。消費者の立場から見れば、あるところでは前進している。国が報道を法律で規制することには反対。しかし、国で作ろうとしている人権委員会に相当するようなものを組織の中に作って、自主規制を強めることを打ち出した上で、反対することが視聴者の立場を代表する番審の求めるところだ。
○声明を出す時に、人権を守ることの大切さ、個人のプライバシーを守ることの大切さをしっかり盛り込んだうえで、この法案の問題点を指摘したい。
○法案の問題点を分かりやすく、なぜ反対しているのか国民に説明する責任がある。
○マスコミもシビアな判断を迫られる時代が来ている。国民の批判の目は肥えてるので、格好良いことばかり言っても信用しない時代になった。内部で自主規制出来ないと国民の信頼を失うと思う。そういう意味では、注視されている。
○「国民の知る権利」は、大きく言えば国民の文化だ。知る権利の制限は文化を後退させることにもなる。
最後に、視聴番組テレビ「窓をあけて九州~じいさんの願いごと~」を視聴した。この番組は、豊後高田市の山中に住む、原内さん夫婦にスポットをあてた番組。夫の原内正勝さんは、10年前から農業の傍ら百体以上も、わらべ地蔵を彫り続けている。静かな山村に響く石を刻む音と、ほのぼのとした夫婦愛を描いた番組。
<委員から出された意見の概要>
○山村で生活している2人の夫婦がテーマだが、家族を切り口にした部分が見えなかった。
○2人の暮しというか生活面をもう少し見たかった。
○特別の信念があって、石に魂を掘り込んでいたと思ったが、そうでもないようで、そこのところ(願いごと)が弱かった。
○夫婦のほのぼのとしたところは良く出ていた。最後の俳句など良かった。
○田舎で生活することで、将来に対する不安は大変なことだと思うが、それを明るく描いていたのが良かった。
○特別な素材でなく、過疎地の普通の生活を淡々と描いているが、年老いて暮すことはどうあるべきか、いろいろ考えさせられた番組。

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