大分県芸術祭 ( おおいたけんげいじゅつさい)

幅広い芸術文化振興運動

 大分県 大分県教育委員会 大分県芸術文化振興会議 大分合同新聞社 4者の共催による芸術文化発表行事。毎年春主催者会議 芸術祭運営協議会を開き、夏の運営協議会で全行事を決定する。最近では、10月1日から11月30日の開催期間に、主催行事 共催行事 特別参加行事 協賛行事合わせて100〜200の行事が組まれ、県下の全市町村が参加している。平成元年度で25回目を迎え、「平成を文化で築く豊の国」のキャッチフレーズに示されているとおり、文化を地域おこしの核にしようという意欲も現われている。
〈芸術文化振興会議の誕生〉
 昭和39年(1964)6月大分市で、 県美術協会 大分労音 県民文化会議 など18団体と、文化活動に関心を持つ学識経験者など約50人が集まって、 文化会館 建設期成会を結成した。当時、県下には百を超す文化団体があったが、「発表するための会場難と他団体 ジャンルとの連携がとれない」という共通の悩みをかかえていたのである。丁度そのころ、県教育委員会の鷲尾正昭社会教育課長から文化関係の活動を盛り上げる手だての究明について指示を受けていた進恒夫文化係長が、大分合同新聞社の宮瀬香多士文化部長らの協力を得て、同年12月26日大分県芸術文化振興会議を発足させた。発足会はトキハ第2特別室で開かれたが、数回の論議の末翌40年4月には、役員のほか会の基本的性格(各文化団体の連絡協議機関)についても決定をみた(『大分県地方史』第124号)。以来四半世紀を経て、会長も初代 佐藤 義詮(よしあき) 以来 米田貞一 辻英武 挟間 正年(まさとし) 仲町謙吉 の5人を数え、機関誌『 芸振 』や『 大分県文化年鑑 』を刊行し、予算も大きく膨んで、県下の芸術文化の振興に重要な役割を果たしている。事務局は現在、県教育庁文化課内に置かれている。
〈初期の芸術祭〉
 大分県芸術文化振興会議の主要行事として発案されたのが県芸術祭である。40年の秋以来毎年開催され、今日に至っている。しかし当初は、芸振会議自体が絵画 写真 書道 音楽 短文学会を中心としたものであったし、芸術祭も各団体が年間行事として行っていた催しを期間内に集めたものにすぎなかった。第1回県芸術祭の主催行事は別府国際文化会館で開かれ、県美術協会と 県歌人クラブ ウィステリアコール が表彰された。第2回目は開館したばかりの大分文化会館を会場としたが、松方コレクション展が大きな反響を呼び、結果として 大分県芸術会館 の設立を促進させた。『大分県文化年鑑』によれば、芸術祭は第7回目(昭和46年)にしてようやく、「それなりに一つの行事として定着して来た」という。芸術祭のために企画された行事が増加し、大分 別府両市以外での参加行事が増加して来たのである。
〈第10回芸術祭〉
 昭和49年の第10回芸術祭は、開幕行事に創作バレー「 朝日長者 」、閉幕行事に 大分交響楽団 演奏会を配し、初めての県民演劇「 大友 宗麟(そうりん) 」の公演や 県民オペラ 「 吉四六(きっちょむ)昇天 」のアンコール公演も行われた。この前後数年間、各ジャンル間の協力による大型創作ものの公演が続いており、大分県の芸術文化活動が新しい時代に突入しつつあることを示していた。10周年記念に際し、初代芸振会長の佐藤義詮と「吉四六昇天」出演の 立川 澄登(すみと) が感謝状を受け、 県音楽協会 県歌人クラブ 大分交響楽団 県高等学校文化連盟演劇部 県三曲協会 県人形劇サークル 県美術協会 県民オペラ研究会 県洋舞踊協会 が表彰された。
〈第20回芸術祭〉
 昭和59年の第20回芸術祭では、文芸 音楽 舞踊 美術 演劇 邦楽の6部門でそれぞれ記念行事が組まれたが、特別記念行事として 園田高弘 ピアノリサイタルも開催され、翌年からの園田高弘ピアノコンクール 音楽週間につながる。また、功労者として 久保舎 首藤務 仲町謙吉 平瀬克美 宮崎豊 のほか、県民オペラ協会 萬謡会など10団体が表彰された。発足20年後の県芸術祭にかかわるこれらの動きは、県芸術文化振興会議と県芸術祭の拡大と発展を象徴的に表現している。
〈“文化の時代”の模策〉
 昭和60年 平松 守彦(もりひこ) 知事 が文化創造元年を宣言し、文化創造県民会議が設置されて、その答申も出された。目下、近い将来に国民文化祭を誘致しようという動きも活発である。県芸術文化振興会議と県芸術祭もまた、国際化 情報化 高齢化社会の中の文化政策 豊饒(ほうじょう)の時代にあって、新しい対応を求められている。真に継承すべき文化は何か、真の文化創造はどのようにして達成されるのか、難問を突破しなければならない。
 参考文献 大分県芸術文化振興会議編『芸振』『大分県文化年鑑』各年版 豊田寛三ほか『大分県の百年』
[末広 利人]

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