海原みどり 10/1(水)
NO.62「秘密」
著者:林真理子
出版社:ポプラ文庫
「林真理子の書く女って、怖くて意地悪でイヤ」
と言いながら、1度読んだら、その現実味ある女性像の描写にすっかりはまってしまう。
女性であれば、彼女の小説やエッセイに出てくる嫌な女にはこれまでの人生で必ず出くわして(たまには、被害を受けて)いるので、読んでいて本当に「わかる、わかる」とうなずいてしまうのだ。
私はストレスがたまった時に林真理子さんの本が読みたくなる。
ちょっと毒気のある文章に、心のモヤモヤもすっきり。そして、そこまで露骨に女性の本心を明かしていいの?と、彼女の作家魂に頭が下がる。
林真理子ファンは、99パーセントが女性というのもうなずける。まるで、井戸端会議をしたり、噂話でストレス解消をする感覚で、本を読むのだ。
さて、この「秘密」はこれまで書きためた短編を、<秘密>というテーマでまとめたもの。例えば、【お別れパーティ】では、女性専用アパートを出ていく友人の送別をしようと、アパート住人が集まって初めてわかるそれぞれの裏の顔。
また、【女優の恋人】では、女優を恋人に持った男の優越感と、甘美な拷問に立ちすくむ男を描く。
かつての恋人と夫婦同士の付き合いをしてうまくいっていたのに、事情を知っている友人を招いたことから綻びを生じてしまう【土曜日の献立.】。・・・
8編の話はそれぞれに「秘密」の仕掛けがあり、ハラハラしながら読み進むことになる。ちょっとミステリーの香りもする。
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