海原みどり 10/8(水)
NO.66「愛という言葉を口にできなかった二人のために」
著者:沢木耕太郎
出版社:幻冬舎
一度読んだだけでは理解できないくらい、やたら長いタイトル。
筆者は、実にこだわりをもってこの題名を付けたのだが、つまるところ<愛を口に出来なかった者たち>イコール<愛が成就しなかった者たち>をテーマにした映画についてのエッセイ。
「ローマの休日」「ブロークバック・マウンテン」「トーク・トゥ・ハー」「父と暮らせば」「エマ」「ブラス!」「きみに読む物語」「ライフ・イズ・ビューティフル」「息子のまなざし」「シャイン」などなど・・・。
名作・話題作といわれた映画の数々を、<愛>を切り口に沢木流の解釈をするのが面白かった。
彼のものの考え方は、倫理観・正義感があり、いつも弱い立場の人に優しいまなざしが感じられるから好きだ。
中でも、香港の日本人妻とその娘との葛藤を描いた「客途秋恨」は、母娘の愛がテーマ。そして、肉親とは?故郷とは何か?についても問うている。日本人の母の里として九州の農村が設定されているのが興味深い。映画を観てみたいと思った。
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