海原みどり 11/7(金)

No.80「OL現代詩殺人事件」
著者:斎藤栄
出版社:中公文庫
タロット占いで事件を解決する<タロット日美子>シリーズの第一弾となる本書の舞台は鎌倉。
中央省庁に勤務するOL章子は、両親を亡くし、一浪の弟・伸一と二人暮らし。
母の急死はサラ金業者の水上のせいだと深く恨んでいる伸一は、彼を呪い殺そうとワラ人形を作ったり、奇妙な幻想に取りつかれてしまうが、姉弟喧嘩の末、家を出て行方不明になってしまう。
不安になった章子は、友人の二階堂日美子に相談すると、彼女はタロットの力を借りながら真相究明に乗り出すことになった。
単にサラ金業者殺害と思われていた事件は、新興宗教も絡んだ官僚汚職事件のカモフラージュにすぎず、事件の黒幕は意外な人物であった・・・・。
<タロット日美子>シリーズの原点というだけあって、タロットカードの意味や解釈の仕方が頻繁に出てきて、素人にもわかりやすく興味深い。
また、今回は暗号のトリックとしてモールス信号が利用され、ミステリー小説らしい味が出ていた。
友人が訪れる度に自作の菓子やお茶でもてなす日美子の描写が、とても好感がもてる。
斎藤氏は男性ながら、細やかな神経の作家だと感じられた。
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