2006年7月12日

左半身不随のエース [19:00]

中学三年の夏脳梗塞で左半身の自由を失った投手があす夏の甲子園県大会で先発のマウンドに立ちます。
広い練習グランドの片隅で毎日別メニューの練習をこなす選手がいます。
県立三重高校野球部3年広田一弥君。
広田選手は左半身の自由がきかないピッチャーです。
広田君が野球を始めたのは小学2年生の時。夢はヤンキースの松井選手のようなプロ野球選手。早くから才能を発揮した広田選手は中学3年生の夏地区の大会にエースとして出場し、130キロ台の速球を武器にチームを優勝に導きます。
しかし、大会の3日後広田君に突然の悲劇が襲います。
「一緒に野球をやらないか?」失意の広田君に言葉をかけたのは三重高校野球部の上尾隆一監督でした。
上尾監督は、独自にリハビリの方法や整体技術を学び、3年間広田選手をサポートしてきました。
課題となるのは、自由の利かない左手での捕球とボールを投げるときに必要となる左足への体重移動です。
三重高校単独では、最後の出場となる夏の甲子園県大会。初戦の先発マウンドに広田を立たせたい・・・。
大会前キャプテンをはじめチーム全員で決めたことでした。
登板は、初戦の1イニングのみ、ランナーが出た時点で交代。
三重高校野球部の背番号1広田一弥。
彼は、13日高校野球生活最初で最後の夢のマウンドに立ちます。

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