3月9日。
全ての新聞一面トップ項目が同じ内容でした。
「日銀の量的緩和政策解除」。
日本経済界のこの大きな動きに対して、大分でも日銀大分支店に
「量的緩和策解除って一体なんのことですか?」という問い合わせが相次ぎました。
そこで今回は量的緩和政策の解除についてお話しします。
90年代初めのバブル経済崩壊後、この15年ほどの間、日本経済はデフレに苦しみました。
こうした中で日本銀行は政策金利を引き下げ、
企業が投資しやすい環境を作り、経済活動を支援する政策を続けてきました。
ただ政策金利を「ゼロ」近辺にするまでの政策を実施しましたが、
それでも日本経済になかなか元気が出てこなかったんです。
そこで金利をマイナスには出来ないので、
2001年3月に金融政策の目標を「金利」から「お金の量」に切り替え、
日本銀行から金融機関に供給する「お金の量」を増やしてきました。
これが、「量的緩和政策」なんです。
この政策は日本は勿論どこの国でも実施されていない、異例な経済政策でした。
その後、日本経済は企業の経営努力や、この量的緩和政策の効果もあって、
ようやくデフレからの脱却が展望できるまでに回復。
こうした最近の経済情勢を踏まえ、この異例な政策を改め、
金融政策の目標を「量」から再び「金利」に戻したのが、
今回の「量的緩和政策の解除」なんです。
もっと分かり易く言うと・・・・。
日本経済はバブル崩壊後重い病気を患い、長らく集中治療室に入っていた状況なんです。
こうした中で、日本銀行から「量的緩和政策」というモルヒネのような強い薬の投薬を受けていました。
しかし、強い薬には副作用もあるわけで、預貯金金利はきわめて低い水準になっていたし、金融機関同士で行う資金市場の機能も封印してしまったのです。
しかし最近では日本経済は元気になり、集中治療室から出られる程までに元気を回復してきました。
ですからいつまでもモルヒネの投薬を続けていると、逆に体を蝕み、副作用だけが目立ってくるんです。
そこで、「量的緩和政策」という重い薬は止め、「金利政策」という普通の薬に切り替えることにしたのです。
すると、今後金利は上がって行くのかというと・・・。
日本経済はだいぶん元気になってきましたが、まだ病院から退院できるまでには健康を回復していません。
ですからしばらくは「極めて低い金利政策を続ける」という薬の投薬は続け、
待ちに待った退院の日を迎えられるよう、健康回復の状況を見守るというのが、日銀の姿勢になります。
なので、こうした日銀の政策姿勢を反映して、
金融市場では金利がすぐに上昇していく可能性は低いと見ているのが、一般的な見方です。
我々の生活にどういう影響が出るのか・・・・。
当面金利の動きに大きな変化が起こらなければ、生活面に大きな影響が及ぶ可能性は低いと見ています。
今回の措置は、何度説明しても「わかりにくい」量的緩和政策という異例な政策から、
「金利を物差しとする普通の金融政策」に戻した措置と言えるのです。 |
|