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5月19日放送分/「雪に願うこと」
第18回東京国際映画祭グランプリ・監督賞・最優秀男優賞・観客賞受賞
出演:伊勢谷友介・佐藤浩市・小泉今日子・吹石一恵 など

この映画を見た第一印象は「きれいな映像の映画だな〜」でした。
とにかく馬好きな人(競馬が好きな人というわけではなく生き物が好きな人という意味です)にはたまらなく癒され、そして生きる勇気を与えてくれる映画でしょう。

舞台は北海道・帯広のばんえい競馬。
ストーリーの説明をする前に「ばんえい競馬」について説明をしておくと、この競馬は中央競馬などのサラブレッドが速さを競う競馬ではなく、農耕馬が800キロ近いおもりの入ったソリを引いて2箇所の障害(坂)を設けた200mの直線コースで争う、世界でここだけしか行われていない競馬です。
さらに馬体がゴール板を過ぎたところがゴールではなく、ソリの最後端がゴール板を過ぎたときがゴールになるため、最後の最後まで目の離せない、馬や騎手(ジョッキーは馬ではなくソリに乗ってムチを使う)にとっては過酷な競馬なんです。

そのばんえい競馬で調教師をしている男のところに、東京で事業に失敗して地元に戻ってきた弟がある日突然やってきた。
弟は一流大学を卒業後一流商社に入社したが、自ら興した貿易会社事業が失敗して、行くところがなく戻ってきたらしい。
そんな弟に対して馬と共に土にまみれた生活をし、苦労しながら厩舎を営んでいる兄は快く思わないが、仕方なく家に置き厩舎の仕事を手伝わせる。
そこで弟はなかなか結果がでず苦しんでいる一頭の馬や女性騎手、親身に世話をしてくれる母親的存在の賄い婦に出会う。
そこで自分の人生と成績を残せないと処分されてしまう運命の競走馬とを重ね合わせ、自分の弱さと向き合い、再び前を向いていこうと決心する。

人生の中でこうした失敗や挫折は少なからずほとんどの人が経験すると思います。
特にこの時期は今年の春入社した新社会人、このような気持ちになっている人も少なくないかもしれません。
しかしどんな失敗も挫折もそれを受け入れることで前を向いて進んでいけるし、再びスタートラインに着くことだって可能です。
ただそこにたどり着くまでには様々な葛藤があるでしょう。それを乗り越えてこそ、新しい道が出来上がるのです。
馬の白い鼻息や立ち上る湯気を幻想的に映し出し、北海道の凍てつく空気を吸い込んだような映像。
ばんばのおおらかでパワフルな存在感。それらが調和して、観る人全てに爽やかな感動を与えてくれる映画です。

「雪に願うこと」は5月27日から大分市・府内5番街シネマ5でロードショーです。