12月15日に「12月短観」が発表されました。
この「短観」という言葉。
良く皆さんも耳にすることが多いと思いますが、正式名称は「全国企業短気経済観測調査」といい、日銀が3ヶ月に1回、全国の企業約1万社(うち大分県の企業は約200社)を対象に行っている統計調査で、
企業からのアンケート調査を集計し公表しているものです。
企業や経済の最新の動きが現れたデータとして、経済統計の中でも注目度が高いものになっています。
この短観の中の業況判断(企業が自社の業況を「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を差し引いたもの)の動きを見てみると、今回は+10と、前回の9月調査(+7)に比べ3ポイント改善。
| 表1)業況判断 |
|
05年 |
06年 |
| 12月 |
3月 |
6月 |
9月 |
12月 |
| 製造業 |
13 |
15 |
18 |
20 |
26 |
| 非製造業 |
1 |
0 |
-4 |
-2 |
-4 |
| 全産業 |
7 |
6 |
5 |
7 |
10 |
県内経済が引き続き緩やかに持ち直している動きを反映していると判断されました。
では業種別ではどうなのか?と言うと、製造業が+26と前回9月調査の+20に比べ6ポイント改善した一方で、非製造業は−4と前回9月調査の−2に比べ2ポイント悪化しています。
この理由として、製造業では県内への進出企業の生産拡大、設備投資増強の波及から自動車部品や金属、化学といった業種で業況判断が改善しました。
一方で非製造業では、卸、小売業で秋以降比較的気温が高かったために、季節物商品(冬物衣料品、暖房器具、鍋物野菜など)の販売が伸び悩んだこと、また建設業では公共事業の減少や競走による受注単価の下落したことが、それぞれ業況判断を悪化させる要因となりました。
また、その他の調査項目の特徴点は?というと、「企業の『人出不足感』がかくだいしている」ことが挙げられます。
短観の調査項目の中に「雇用人員判断」という項目がありますが、これは企業が自社の人員を「過剰である」と回答した割合から「不足である」と回答した割合を差し引いたもので、その数値が今回は−9。
すなわち「不足」と回答した企業の方が多かったのです。
(ちなみに前回9月調査の−8から1ポイントマイナス幅が拡大しました)
| 表2)雇用人員判断 |
|
05年 |
06年 |
| 12月 |
3月 |
6月 |
9月 |
12月 |
| 製造業 |
1 |
-6 |
-4 |
-5 |
-10 |
| 非製造業 |
-9 |
-4 |
-6 |
-11 |
-8 |
| 全産業 |
-4 |
-5 |
-5 |
-8 |
-9 |
なお短観調査では半年に一度、企業の新卒者の採用計画を調査していますが、前年比の伸び率を見ると、平成16年度は−8.4%だったのが、17年度が+26.2%、18年度の見込みが+12.4%、19年度の計画が+10.5%と3年連続して前年比プラスになっているんです。
| 表3)新卒者採用状況 |
|
04年度 |
05年度 |
06年度 |
07年度 |
| 製造業 |
1.8 |
34.3 |
26 |
27.8 |
| 非製造業 |
-17.2 |
18.2 |
-3.2 |
-15.4 |
| 全産業 |
-8.4 |
26.2 |
12.4 |
10.5 |
つまり企業は人手不足感の拡大の他、いわゆる団塊の世代の方々の定年、退職時期を迎え、次世代への技術やスキルノウハウ継承の観点から、採用を増やし始めている裏付けとなったのです。
原油高や原材料高の影響には引き続き注意が必要ですが、県内の経済は、業種間、企業間のバラツキは残るものの、引き続き大手製造業がリードする形で、緩やかな景気回復の動きが続くと予想されています。
最近の経済は地域間の競争が高まってはいるんですが、来年も干支のイノシシのように、県内企業のアグレッシブな展開を期待したいと思います。 |
|