| 大分の古代美術 | |
![]() 木造如来立像 ![]() (拡大:写真をクリック) |
木造如来立像 一躯 |
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東国東郡国見町大字野田 万徳寺
榧 一木造 彫眼 彩色 像高98.5cm 平安時代末期〜鎌倉時代初期 県指定文化財 | |
| 万徳寺<まんとくじ>は千燈寺<せんとうじ>の末寺であり、当時の別宮<べつぐう>八幡宮の別当寺<べっとうじ>として由緒ある寺であったが、江戸時代半ばごろには山門末となっている。江戸時代の「豊前豊後六郷三百八十三ヶ所霊場記」には、当寺本尊を観音菩薩<かんのんぼさつ>としているが、現在二躯の如来像だけが伝わっている。 いずれも一木造。一躯は如来坐像の前面部だけである。他の一躯は頭部から躯幹部を通し、両手先を除く両腕の大部分を含め、蓮肉までを一材から木取したもので、ほぼ保存状態がよい。ここでは後者を対象とした。 この如来像は肉髻<にくけい>部と頭部との区別が無い。あたかもどん栗の実にとがっている。これに似た作例は奈良県室生<むろう>村大野寺磨崖仏の頭部に見られるが、当地では他に見られない独特の形である。 螺髪<らほつ>の刻出はやや粗<あら>い瞼厚く、両眼裂輪かくの刻み込みは見られない。鼻筋通り、口元小さく、少年に似たお顔には穏やかな中に写実的なものがある。お首は短いが三道<さんどう>は刻まれる。肩はなで肩、胴は少しく締まり、両足をそろえてすらりと立つ姿は清楚<せいそ>で若々しい。衣文は線彫りであるが、左肩にかかる衣の折り返しには抑揚をつけ、彫りは浅いが写実的である。この彫法は背面の垂れた部分にも見られるが、背面の大部分は簡潔に省略してある。両足の間の蓮肉中央に丸く穴を開け、下から柄<ほぞを差し込む形にしてある。通常台座の柄は蓮肉部の底に共木で彫出し、反花<かえりばな>中央の柄穴に差し込む形をとっている。その他、当像は補修以前は前面縦に千割れがあった。頭部の手法や写実的な相好から見て、木心を中心に取る手法から神像を思わせるものがある。あるいは別宮八幡宮本地仏であったかと思われるが、明らかではない。 (岩男 順) | |
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