大分の古代美術

釈迦如来坐像

日光菩薩立像

月光菩薩立像

勢至菩薩立像

吉祥天立像

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天念寺の木彫群
木造釈迦如来坐像    一躯
木造勢至菩薩立像    一躯
木造日光・月光菩薩立像 二躯
木造吉祥天立像     一躯
 豊後高田市大字長岩屋 天念寺
 一木造 素地
 像高 釈迦如来像93.0cm
    勢至菩薩像96.5cm
    日光菩薩像94.5cm
    月光菩薩像87.5cm
    吉祥天像108.0cm
平安時代後期(12世紀)
県指定文化財

 昭和三六年、阿弥陀如来<あみだにょらい>立像一躯が埼玉県へ移坐された後、なお五躰の平安古像が天念寺に残されている。いずれも一木<いちぼく>彫像で、それぞれの岩屋内の仏龕<ぶつがん>に永らく安置されていたためか、像面の木質朽損が著しく、両腕や両足先の矧<はぎ>木なども欠損した痛ましい姿である。いずれも平安後期における素朴な地方作といえるもので、中では吉祥天<きっしょうてん>像がやや古く11世紀後半の製作かと思われるが他はすべてこの時代も末、12世紀後半のものである。その概要は次の通りである。
一、釈迦如来<しゃかにょらい>坐像。寺伝に釈迦如来というが、欠失した両手前膊より先は、現状からみると両膝上で定印<じょういん>を結んでいた可能性もあり、あるいはもと阿弥陀如来であったかも知れない。本躰は樟<くす>材一木造り、背刳<せぐ>り蓋板矧ぎ、両膝部は横一材矧ぎとする。台座も樟材で、蓮肉(二材矧ぎ)、上敷茄子<しきなす>(二材)、華盤<けばん>、下敷茄子(二材)、請座<うけざ>(一材)を残存している。
二、勢至菩薩<せいしぼさつ>立像。名称は寺伝によるが、確かな尊名は明らかではない。通行の菩薩像である。榧<かや>材一木造、両腕矧付け(現在欠失)。台座は榧材で、蓮花(一材)、反花<かえりばな>および丸框<かまち>二段(以上全一材)を存する。
三、日光・月光菩薩<にっこう・がっこうぼさつ>立像二躯。各榧材一木造日光像は両腕矧付け(欠失)。月光像は天冠台より上の頭までを別材矧付け(欠失)、右手肩付根より欠失。台座各榧材。日光分は蓮花(後補)、反花および丸框二段(以上一材)を残している。
四、吉祥天立像。榧材一木造、両手首、両足先の矧木欠失。台座はすべて後補である。
(西川 杏太郎)
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