大分の古代美術



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木造仮面 一面
東国東郡安岐町杉山 瑠璃光寺

縦(現状最大)21.5cm
幅(現状)24.5cm
厚(現状)13.2cm
鎌倉時代
六郷満山末寺の瑠璃光寺<るりこうじ>は、両子山<ふたごさん>から流れる両子川に沿った狭い谷間の丘陵の一角にある。寺というよりは、普通の民家に近い小さな古寺である。平安前期様式をしのばせる一木造の阿弥陀如来と釈迦如来の両立像が伝わる。

 当寺にはこの他に桐材に彫った鬼面一面が伝わる。頭頂の一部と、上顎<うわあご>の下端から下顎全部が欠失している。太い眉には植毛の痕跡が残る。目は大きく突出し、動眼ではないが、それを思わせるものがある。右の耳の先端と見られるとがった部分も残る。頭頂には凸字を逆にした形の欠失部がある。そのへりに植毛の痕跡が対称的に残っているので、他の材で造られたものを、はめ込んだ矧ぎ口と思われる。その形から推察して一角又はないし三角を作ってはめ込む形に矧いだものであろう。法隆寺に伝わる追儺<ついな>の三面鬼や、兵庫県浄土寺の面に近似したものが考えられる。
 彫法も本格的なものがあり、国東地方に伝わる民俗的な仮面とは、異なるものがある。しかしながら野間清六氏は追儺面で平安時代にさかのぼるものは、現在のところ一つもないという。
 他に比較するものが無いので、確かなことはいえないが、鎌倉時代を降るものではないと思われる。この地方に残る仮面中、古様を伝える優れた遺品の一つといえよう。
(岩男 順)
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