硫黄島からの手紙
2006(米)141mins
【監督】 クリント・イーストウッド
【脚本】 アイリス・ヤマシタ
【出演】 渡辺 謙(栗林中将)/二宮和也(西郷)
井原剛士(バロン西)/加瀬 亮(清水)
中村獅童(伊東中尉)/裕木奈江(西郷花子)
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全編モノトーンに近い暗い色調に銃や砲弾の炸裂する赤い不気味な色彩、日の丸の旗の赤い色が印象的であった。
『父親たちの星条旗』に続く2部作であるこの作品は、戦争という破壊のみしか作らないデーモニッシュな行為を余す所なく描き出す。
わずか5日間で、この小さな島を陥落できるであろうという米軍の思惑は、栗林中将の指揮する日本軍の一日でも長く祖国への進撃から守り抜こうとした過酷な持久戦で36日間にも及ぶ長期戦となり、両軍併せて2万8千人の戦死者を出すという戦場となったのだ。
『父親たちの星条旗』でアメリカ軍の視点から描き、この作品では日本軍の視点から描く事によって、より鮮明な形で戦争という愚行が<国の大義>という名のもとに殺し合うことを余儀なくされた名もなき庶民たちの悲しさと苦しみが浮かび上がる。
C・イーストウッド監督は、この硫黄島の戦いをヒロイックにも反戦的な立場にも立たず、綿密なリサーチの上でフラットな視点で両軍の戦いを描く。
その事によって、よりくっきりとした輪郭を持った戦争批判の作品として結実した。
生まれた娘の顔を見る事のないまま硫黄島に送られた小さなパンの店を経営していた西郷のような無辜(むこ)の庶民の断腸の思いは、戦時下の世界の庶民の共通の思いであり、平和な時世にそれを見るわれわれは、その思いを重く受けとめて彼等が魂の底から絶叫したかったであろう<平和で平穏な生活>への願いを末ながく続ける努力をする事で報いるしかないのだと言う事を深く考えさせられる作品であった。
【今回のお値段】 2,500円
重く魂の琴線に触れてくる作品でした。
それ以外に適当な表現のできない映画です。
ぼくはチケット代は2500円を出したいと思います。
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