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私の読書日記 <No.12>
2月5日(火) はれ
トワイライト
著者:重松 清
出版社:文春文庫
2001年の暑い夏の日、東京郊外の小学校が廃校になってしまうので、中庭に埋めたタイムカプセルを取り出そうと、26年ぶりにかつての同級生たちが集まるところからドラマは始まる。
21世紀の未来の自分に宛てた手紙、文房具、おもちゃ・・・。数十年ぶりに宝物や記念品を手にして思い出話に花が咲くのだが、最後に担任だった女性教師の手紙がでてくる。彼女は、彼らの卒業直後にW不倫の末に、愛人に殺されたのだった。ちょうど
現在の彼らと同じ、40歳の時に。
まるで、死を予感した遺書のような手紙には、こう書かれていた。
「皆さんの40歳は、どうですか?あなたたちは、いま、幸せですか?」
リストラ、家庭不和、仕事の全盛期を過ぎた独身女性など、それぞれの悩みを抱えるかつての教え子たちは、先生の問いかけに答えを出そうとする・・・・・・・。

 世の中は楽しいことよりも苦しいことの方が多い、自分の思うようにいかないことが多いのが人生であるーということがわかるのが、40代。
中間管理職、介護、子育て、老後の不安・・・。人生の黄昏<トワイライト>にさしかかるこの時期は、とてもきつい年代。これをどう乗り切るかで、今後の生き方が変わってくる。

小説のなかでは、大阪万博のシンボル・太陽の塔、アポロ号など、70年代に少年少女だった世代にとっては懐かしい出来事をちりばめながら、「タイムカプセル」に託す将来の夢を象徴的に描く。
また、登場人物の子どもの時の渾名が、のび太、ジャイアン、しずかちゃんなど、「ドラえもん」のキャラクターに合わせて、うまく性格を表現している。
重松氏の巧みなストーリー運びで、一気に読んでしまった。
今度は、直木賞受賞作の「ビタミンF」など、他の作品も読んでみたいと思った。