ベビーピンクとグレー、水色を基調とした優しい色合いの人物画を得意とするフランスの女流画家、マリー・ローランサン。
ちょっと憂いを帯びたメランコリックなその絵に魅せられる人は多い。私もその1人。
20数年前に、大分県立芸術会館で展覧会が開かれた時には、その配色の美しさに感動したものだ。
私生児として生まれたマリーは、19世紀末当時の女性としては自立心に富み、生活力もあったようだ。画家をめざし、パリの私立画塾で学び、才能を発揮。そこでジョルジュ・ブラックと知り合ったのを契機に、若手芸術家グループのリーダーだったパブロ・ピカソ、モーリス・ユトリロ、アメディオ・モディリアーニらと親交を深める。
恋多き女性としても知られる彼女だが、中でも詩人であるギョーム・アポリネールとの恋愛は有名である。
「ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ、われらの恋が流れる
わたしは思い出す悩みのあとには楽しみが来ると・・・・」と、アポリネールは、名作<ミラボー橋>を残している。
第1次大戦中にはスペインに亡命し、精神的にも追いつめられるが、次々に作品を発表。その後、当時ファッション界の女王と呼ばれたココ・シャネルや、脚本家ジャン・コクトーらと付き合い、その人生は華やかなイメージがあるが、私生活の彼女はいつも孤独感にさいなまれていたという。
これも、芸術家の宿命なのか。 |