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私の読書日記 <No.21>
2月29日(金) 晴れ
空白の宰相
<チーム安倍>が
追った理想と現実
著者:柿崎明二
久江雅彦
出版社:講談社
北朝鮮による日本人拉致問題の対応で、一躍脚光をあび、国民的人気を博した安倍晋三氏。その後、第90代総理大臣に就任。当初は安倍内閣の支持率も60パーセント以上を誇り、その若く溌剌とした総理の姿に<日本も変わるのではないか、若き宰相が変えてくれるのではないか>と、私たちも希望を持った。
しかし、閣僚や側近に経験不足の身内を集めた「お友だち内閣」は、荒波に弱く、
やがて航行不能に・・・わずか1年で、あえなく沈没してしまう。

共同通信社の政治部編集委員である柿崎氏と久江氏が執筆した本書は、その安倍内閣発足から退陣までのドキュメント。
さすが、事情に通じているマスコミ人が書いた文章だけあって、おもしろい。
ニュースでは報道されなかった人間ドラマ、オフレコのエピソードなどもさりげなく
ちりばめられている。

年金記録問題、閣僚の自殺、閣僚の失言、事務所費問題・・・
総理在任中に次々に発生する問題に対して、対応はすべて後手後手にまわり、なんら指導力も発揮できないままに参院選は惨敗。そして、退陣の時期を見誤ったことでもマスコミの集中砲火を浴びた。
<あとがき>の中で、安倍内閣崩壊の大きな原因は、的確な判断力の欠如とある。
身内に甘いため《泣いて馬謖を斬る》という処置が出来なかったことが問題解決を遅らせることとなる。また、情報収集と分析をして策を練る優れたブレーンにめぐまれなかったことも一因といえる。

危機意識の希薄さや、世間一般の常識とかけ離れた思考や行動は、政治家に限ったことではない。企業の信頼を揺るがすような事件や不祥事が相次ぐ中、今一度、原点に立ち返ってほしい。