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私の読書日記 <No.24>
3月12日(水) 晴れ
別府 華ホテル
〜観光王と娘の夢
著者:佐和みずえ
出版社:石風社
別府観光の礎を築いた男、油屋熊八。
富士山頂に《山は富士、海は瀬戸内、湯は別府》の標柱を立てたり、温泉マークを考案。地獄巡りを開発し、観光バスガイドを創設したり、九州横断道路を提唱する・・・など、
その奇抜なアイデアと抜群な行動力は、現代でも語り継がれるほどである。

本書は、その油屋熊八をモデルにした小説で、(小説の中では、油屋熊八郎となっている)彼と(架空の)娘の華乃が、別府に理想のホテル<華ホテル>をつくり上げるというストーリー。
熊八郎親子がホテル経営に乗り出すきっかけとなったのは、
アメリカの小さなホテルで働いた経験からで、
その時に知った聖書の言葉《旅人を温かく、もてなせ》に感銘したからである。
《客が、我が家のようにくつろげるようなホテルをつくろう!》と、
同業者の妨害など幾多の困難にもめげず、
知恵と勇気で夢を実現させていく親子の姿に、拍手喝さいを贈りたくなる。
また、時折、実在の熊八翁のエピソードや業績(地獄めぐりを観光として定着させる、
バスガイドの導入など)も紹介されて、小説であることを忘れてしまうリアルさがある。

著者である佐和みずえさんは、大分市に在住の作家。
少女漫画・劇画の原作を書くかたわら多くの少女小説や児童書を手がけ、
最近ではシナリオライターとしても活躍中。
先日、OBSラジオ「大分ぷるるん倶楽部」にゲスト出演していただいたご縁で、
この本を読んだ。
「こういった歴史ものの小説を書く際には、時代考証など多方面の資料集めが大変で、
また、モデルがいる場合にはいろんな配慮が必要」といった制作秘話を番組の中で伺って、興味深かった。