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私の読書日記 <No.30>
4月17日(木) 雨のち曇り
「死との対話」
著者:山田 真美
出版社:
株式会社スパイス
筆者は、インド神話の調査研究のため、
96年から6年間ニューデリーに在住した経験のある作家で、
日印芸術研究所言語センター長。
この本は、彼女がインド在住中に実際に体験した<人間の営み>の記録である。
ヒンズー教の聖地として有名なベナレス。
遠藤周作氏の小説「深い河」の舞台となった地で、映画化されるとそのガンジス河の沐浴風景を見ようと多くの観光客が訪れたという。
中には、主人公と追体験をしようと沐浴を試みる人も相次いだとか。
しかし、実際のガンジス河は黄色く濁り、日本の川のイメージとは程遠い。
ヒンズー教徒らは、人が死ぬと河岸の火葬場で遺体を焼き、
残った灰と骨はそのまま河に流してしまう。
若くして亡くなった人の死体や幼児の死体、
遺体を焼く薪を買うお金もない貧しい人の死体は、
焼かずにそのまま河に流すこともあるという。沐浴をしている向こうで死体が流れ、
その横で洗濯をしている人、米を磨いでいる人、
赤ん坊に産湯をつかわせている産婆がいる。
インドに暮らすヒンズー教徒にとって、インダス河はまさに
<生と死が隣り合わせ>の生活の場といえる。
街を歩けば、ボロ布のかたまりと見間違うほどの物体、
何かの理由で行き倒れとなった死骸に出くわすことも。(1990年筆者の体験)
また、インドの国立病院は無料だが、衛生状態が悪く、医療設備もスタッフの数も不十分。
多くの貧しい人々は病院にやってきても治療を受けられないまま、
亡くなることもあるそうだ。
現代の日本で普通に生活していると、
人の死に接すること、ましてや遺体に対面することはめったにない。
いろいろとカルチャーショックを受けた。
巻末には、ダライラマ14世とのインタビューも掲載されている。