大手出版社の文芸部編集長・三村は、ある日、高岡真紀と名乗る見知らぬ女性から、自分が書いたという投稿原稿を受け取る。彼女が書いたというその小説「緑色の猿」は、作家志望だったが3年前に突然姿を消してしまった来生恭子が、かつて三村に見せていた作品と全く同じもの。この作品は、三村以外に読んだことはないはずなのに、これは一体どういうことか・・・。しかも、高岡真紀は明らかに恭子と別人であるが、そのしぐさや口調は恭子本人を思わせる程、似ている。果たして、高岡真紀の目的は何なのか?謎を解明するために、三村は神戸に向かう・・・・・・。
多くの謎がいっぱいの導入でまず惹きつけられ、途中からサスペンス?ホラー?
ミステリー?と思わせるようなストーリー展開で、巧みな構成。また、中盤に登場する
探偵役のフリージャーナリスト・木部美智子の人物像がすこぶる良く、彼女の捜査と
推理で真相が明らかになったラストは、<おみごと!!!>。
この「神の手」は、望月諒子さんが2001年に電子出版でデビューを果たした作品だが、とても新人とは思えないような出来栄え。(ちなみに、オンライン書籍としては異例の大ヒットを記録したという)
好評につき、後日、文庫として発売されたものを読んだのだが、これから注目の作家といえる。このデビュー作に続き、文庫化されている「探偵 木部美智子シリーズ」の作品も読んでみたい。 |