タロット占いで推理し、事件を解決する<日美子シリーズ>のミステリー小説。
日美子の夫は、兵庫県警の特命刑事調査官。難解な事件捜査などのために奔走し
ほとんど家にはいない。留守を預かる日美子は、鎌倉の実家と神戸にマンションを行き来しながら家事をこなし、好きなハーブの研究や文学に親しむという日々を送っている。友人や知人などが身辺に起った奇怪な出来事の相談に訪れると、必ずそれが
大事件の前触れとなり、日美子は冷静沈着に事柄を推理し、最後はタロットカードの力を借りながら、真相を究明していく、というパターン。
今回は、日美子のもとに、自称ヒストリー・アナリストの男が訪れる。彼は、赤穂義士に関する資料を利用してひと儲けをしようと企てている様子。作家だった父の弟子だと言い張る男に胡散臭さを感じた日美子は、父の名を汚されたくない思いもあり、この男が住む兵庫県加西市へと向かう。ここは寺が多く、赤穂義士との関わりもある久学寺もあるところ。
そこへ、忠臣蔵を思わせる殺人事件が発生し、夫の二階堂警視とともに日美子の推理が冴える・・・。
タロット日美子の人物設定は、聡明で心優しく謙虚な女性として描かれ、好感が持てる。タロットカードを神聖なものとして扱い、論理的に毎回事件を解決するところに、このシリーズの面白さがあると思う。 |