←アナ日記トップに戻る(海原みどり)
私の読書日記 <No.48>
7月23日(水) はれ
グランド・アベニュー
著者:
ジョイ・フィールディング
出版社:文春文庫
(吉田 利子 訳)
アメリカ・シンシナティ郊外にある高級住宅地マリーモント。
<グランド・アベニュー>と呼ばれる並木通り一帯にはこぎれいな木造住宅が並ぶ。
1982年、この地に住む同世代の4人の女性(クリス・バーバラ・ヴィッキ・スーザン)が公園で出会ったところからドラマは始まる。2歳前後のかわいい娘を持つ若い母親であり妻である彼女たちは、子どもたちを遊ばせようと公園に行き(日本でいう「公園デヴュー」か)そこで出会い、仲良しになる。
夫たちは、それぞれ大学教授や医者、出版社オーナーなど成功を収め、一見幸せそうに見える家族。
 しかし、その後23年の間に、ひとりはDV(ドメスティック・バイオレンス)で傷つき、家を出て、ひとりは職場のパワーハラスメントに遭い訴訟を起こす。また、ひとりは夫の浮気で離婚後、無残な殺され方をしてしまう・・・。

DV、パワハラ、離婚など、現代の社会現象がリアルに表現されているとともに、
それぞれ女性の生き方を通して、哀しくせつない母娘の関係なども描かれている。
母親と娘は一番絆も強く、愛し愛されているのに同性ゆえの嫉妬や反発などがあるもの。クリス・バーバラ・ヴィッキ・スーザンの4人の女性たちが波乱万丈の人生を送った時に娘たちとどのように接してお互いを理解しようとしていたのか。女性作家らしい細やかなセリフに、胸がキューンとなるシーンもあって泣ける。
(もちろん、ミステリー小説なので「誰がバーバラを殺したのか」という謎解きの面白みもあるが)

「優しすぎて、怖い」「泣くのは、あとにして」で日本のファンも多いジョイ・フィールディングだが、これも秀作のひとつといえる。