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私の読書日記 <No.51>
7月28日(月) はれ
定年ゴジラ
著者:重松 清
出版社:講談社文庫
重松さんの小説は、どんな登場人物に対しても作者のまなざしが温かく、ユーモア
あふれた文章なので、大好きだ。
彼みたいな小学校の教諭がいれば、きっと子どもたちの人気の的になっているだろうなと思う。

さて、「定年ゴジラ」は、都心から電車で2時間のところにあるニュータウン・くぬぎ台に住む山崎さんが定年を迎えたところからドラマが始まる。開発から30年を経た
団地は映画館はもとよりパチンコ・喫茶店・居酒屋・・・と、娯楽のかけらもない街。
始発とともに家を出て終電で帰宅するようなこれまでのサラリーマン時代には、さして気にもとめなかったが、なんと退屈なところだろう・・・。30年前に希望に燃えて
マイホームを手にした時には、こんなことは全然考えられなかったというのに・・・。
時間つぶしに<散歩>を始めた山崎さんは、世話好きな町内会長や、デパートの物産展巡りが趣味というノムさん、このくぬぎ台の宅地造成開発担当だった藤田さんらの、定年散歩仲間が出来て、彼らとの交流を通してまた新たな一歩を踏み出すことになる。

家族のために一生懸命働いてきたお父さんの悲哀と、ささやかな楽しみがよく描かれている。
登場人物それぞれが、家族や地域に居場所を見つけていくラストが爽やかで、思わず
拍手を送りたくなった。