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私の読書日記 <No.58>
8月14日(木) 晴れ時々雨
指揮官たちの特攻
著者:城山 三郎
出版社:新潮文庫
のどかな田園地帯が広がる宇佐平野に今でも残る<掩体壕>。
戦後63年たっても消えることのない戦争の爪痕である。

太平洋戦争時の神風特別攻撃隊というと鹿児島県の鹿屋をすぐ思い浮かべるが、
大分県内にも宇佐航空隊があり、ここから20歳前後の多くの若者たちが人間爆弾として飛び立っていき、国のために命を捧げた歴史をこの本を読んで初めて知り、涙が止まらなかった。
遺族をはじめ多くの関係者に話を聞き、また膨大な文献をもとにドキュメントとしてまとめた、まさに<城山文学の集大成>という言葉がぴったりの一冊である。

「指揮官たちの特攻」とは、神風特別攻撃隊<第一号>として選ばれてレイテ島に散った関行男大尉と、敗戦を知らされないまま玉音放送後に<最後>の特攻隊員として沖縄へ飛び立った中津留達雄大尉の、2人の指揮官を対比しながら戦争の現実を描いている。海軍兵学校の同期生であり、宇佐航空隊でも一緒の時期があり、また階級も同じという接点があれば、普通仲良くなるものだが彼らの場合が違ったようだ。それは、2人の生い立ちや気性にも関係しているようだが、<戦時色の強まる中で珍しく温厚な人柄>であったという中津留大尉は津久見の出身だったということで親近感を覚えた。

戦後63年の今年、8月15日午後7時から、かつて宇佐海軍航空隊があった地(史跡公園)で、第3回「平和の灯」が行われ、空襲で亡くなった方々や特攻隊員を追悼するという。
この悲しい戦争の歴史を決して風化させることなく、後世に伝えることは平和を考えることにもなる。私も、いつか掩体壕を訪れてみたいと切に思った。