日曜は会社もほとんど人がいません。
寂しい限りです。
僕が出社する時間は、部屋に誰もいません。
だから僕は、日曜日は会社に来てから歯を磨き顔を洗います。
そんなとある日曜日。
午前9時を少し過ぎたところで、歯磨きと顔を洗いにいつものようにトイレへ。
タオルを忘れたため、びしょびしょの顔のままアナウンス部に戻り、タオルを探しにバッグをゴソゴソ。
そんなとき、急にお客様がいらっしゃいました。
「あの・・・アナウンス部はこちらでよろしいでしょうか・・・?」
「はい、そうですよ」
「アナウンサーの方にお伺いしたいことがあったんですけど・・・(辺りを見回し)・・いらっしゃらないようですね・・・」
僕は、お気に入りのジャージに下はジーパン。
右手に歯ブラシ。
タオルは見つからずに、顔はびしょびしょ。
どうしよう・・・
ここでもし僕が、
「僕、アナウンサーです」
と答えたら、間違いなくこのお客様は申し訳ないという気持ちになってしまう。
しかし、
「いないみたいっすねー」
としらんぷりするのも失礼。
寝ぐせ頭、右手に握りしめた歯ブラシ、びしょびしょの顔からは落ち続ける水。
どうする、俺・・・どうする・・・
3秒ほど考えて、笑顔で、
「あの・・一応私もアナウンス部に所属していますので、私でよろしければお話伺いますが?」
と。
こぼれる笑顔と、こぼれる水。
するとやはり予想通り、申し訳なさ全開の表情で、
「あ、それは・・申し訳ございません!!」
と謝られました。
「いえ、そんな!こちらこそこんな格好で申し訳ないです!」
とこちらも頭を下げたら、また顔からボトボトとしずくが落ちました。
説明するタイミングも失い、タオルも見あたらず、その人との会話中ずっと顔はぬれっぱなしでした。
普通にひきますよね。
一部始終を午後から来たなぎささんに話すと、
「そりゃあ仕方ない・・・格好もねえ・・・」
と。
ジャージは悪くないですよね?
ジャージはスポーツマンの正装です。
ジャージを着ると身が引き締まるのです。
さらに言わせて頂くと、僕が会社に着てくるジャージは、全て『よそ行き』の選び抜かれたジャージです。 |