車いすマラソンの魅力

(1)スピード感がハンパない!!

スピード感がハンパない!!車いすマラソンのランナーたちは「レーサー」と呼ばれる陸上競技用の3輪の車いすに乗ります。平均時速は30キロほど。スピードに乗った下り坂では、何と!時速60~70キロになることもあり、迫力のあるレースが楽しめます。

今でも忘れられないのが、OBSが初めてラジオ中継を行った18年前…。私は、大分市春日浦の5キロ地点で定点リポートの担当でした。それまでも、駅伝の中継所のリポートなどの経験はありましたが、それとは全く別次元のスピードで選手たちが目の前を疾走していきます。あまりの速さに、どう伝えればよいのか頭がパニック状態!「え~と、今、先頭集団が通過していきました」くらいしか伝えることができませんでした…(涙)

みなさんも、42.195キロを1時間20分台で走り抜けていくそのスピードをぜひテレビ中継や沿道で体感してみてください。

(2)スタート当初から激しいトップ争い!!

スタート当初から激しいトップ争い!!ペースメーカーがいない車いすマラソン。ランナーたちは、自身の目標に向けて積極的なレースを展開していきます。中でもトップ集団は、かなり細かい駆け引きが何度も何度も行われていて、カーブやアップダウンのたびに後続を引き離そうとアタック(仕掛け)をしていきます。一瞬の遅れが大きく順位に影響していくので、レース中は目が離せません。

また、先頭の選手が何度も入れ替わる「ローテーション」も見どころです。スピードのある車いすマラソンでは、先頭の選手の受ける風の抵抗を100とするならば、2番目以降は70ほどに下がるそうです。積極的に前へと出る選手、後ろでスタミナを残して虎視眈々とトップを狙うランナーなど、走り方にも性格が見て取れて面白いですよ。 スタート当初から激しいトップ争い!!

また、トップの選手だけでなく、障害の程度の重い選手や経験の浅いランナーなどは、タイムは遅いものの完走を目指して懸命な走りを見せてくれます。高低差のある橋の上りでは、蛇行しながら走ったり、少しずつ何とか進んだりしながらフィニッシュ地点を目指す姿は、応援する人たちの感動を呼びます。

(3)最新式のレーサーがスゴイ!!

最新式のレーサーがスゴイ!! 普段使用している生活用の車いすは10~18キロの重さがありますが、競技用の車いす=レーサーの重さは約8キロ。素材もアルミ製のものや、最近はカーボン製のレーサーも登場していて、年々軽量化が進んでいます。ホイールも30グラムの違いがスピードに影響してくるそうで、トップアスリートたちは、オーダーメイドのレーサーを作り、自らにフィットさせるために、かなり細かいセッティングをしています。

去年は、南アフリカのエレンスト・ヴァン・ダイク選手がHONDAの開発したカーボン製のレーサーに乗り換えたそうで「本当に素晴らしい。世界一のレーサーだよ!」と、大会前日に何を聞いてもレーサーのコメントしか返ってこないほどの喜びようでした…。それほど、選手たちにとって相性抜群で軽量化されたレーサーは、タイム・順位アップのためには欠かせないものなのです。

(4)世界トップクラスのマラソン大会!!

世界トップクラスのマラソン大会!! これまで大会6連覇中のマルセル・フグ選手(スイス)は、今年9月に行われたリオデジャネイロ・パラリンピックで2つの金メダル(800m・マラソン)を獲得した名実とも世界ナンバーワンのアスリートです。もちろん今大会もエントリーし、さらに連覇を伸ばすのか注目が集まります。また、日本人ランナーも洞ノ上浩太選手・副島正純選手・山本浩之選手の「国内3強」をはじめ、久保恒造選手も含めたリオパラリンピックの車いすマラソン日本代表の4人も参加。鈴木朋樹選手や西田宗城選手など若手の台頭も見られる今年のレースは、第26回大会の笹原廣喜選手以来10年ぶりの日本人選手の優勝も期待されます。そして、何より車いすマラソンの世界記録(男女ともに)がマークされているのがこの大分のレースなのです。

さらに、通訳をはじめ2,000人以上のボランティアがレースを支えてくれます。また、テクニカルコースと呼ばれる大分市鶴崎の道幅の狭いコースでも観衆は途切れることなく、42.195に渡って沿道から声援を送り続けています。1981年に「世界初の車いす単独マラソン」として誕生した大分国際車いすマラソン。大分に根ざした、世界に誇れる大会として成長を遂げました。

世界トップクラスのマラソン大会!! 世界トップクラスのマラソン大会!!

OBSスポーツ実況アナウンサー 三重野勝己
(文:OBSスポーツ実況アナウンサー 三重野勝己)