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ギャラクシー街道

三谷監督はぼくのご贔屓のひとりである。限定された場所・状況の中、沢山の登場人物を登場させ一見バラバラのエピソードで繋ぎながら、最後はそれぞれの人物が有機的に結び付くという設定と、洗練されたギャグとの連携に抜群のセンスを有する監督だからである。そして今度の最新作は未来の宇宙を舞台にした<スぺース・ロマンティック・コメディ>という新たな試みの作品というので、期待を持って見たのだが、今回は観客ウィ置き去りにした監督の独りよがりな内容となってしまったようだ。
時は2665年。地球と宇宙空間にある人口居住空間を結ぶギャラクシー街道は、開通して150年を過ぎ老朽化し利用する旅人も減ってきていた。そんな街道沿いにあるハンバーガー・ショップ<コスモ店>を経営するノアとノエ夫婦の所には、それでも宇宙を行き来する宇宙人たちの憩いの場所となっていた。今日も<コスモ店>にはシャイな蛙型宇宙人や、客引きのゲスス人が地球人を相手にいかがわしいエロ商売をしたりしている。そこにノアの元恋人のレイがアシヌス人の夫と旅の途中立ち寄ってきた。妻のノエは馴々しいレイの態度にノアがデレデレするのが面白くない。そんなノエにもスペース・リフォーム業のアンダレス人メンデスが恋心を抱いている。そんな様子を横目でにらみながら地球人でスペース国土交通省のハシモトが、この街道の寂れ方をリポートしている。そんな中、スペース警備隊のトチヤマ隊長とハトヤ隊員が立ち寄り、ハトヤの対処に関しての話しになる。あっちこっちで別々の話やもめごとなどてんやわんやの状況が発生しはじめる<コスモ店>。さあどうする!どうなるノア、ノエ夫婦…?
ノア、ノエの過去の地球での出会いの場面を除けば、ほぼ宇宙空間のハンバーガー・ショップ<コスモ店>の中だけで展開する、従前と同じ設定のこの三谷流コメディは、登場するグループ毎の出来事が、宇宙人の奇抜なというより少しグロでチャチな発想の風習ぶりだけが辛くもスペース・コメディであると思わせるだけなので、笑うに笑えない的ギャグの羅列となり、ラストへと向かって一本の線として収束しきれなくなった結果、ぼくのチケット代は、1500円ぐらいかなと思う作品でした。星印は、2つぐらいかなと思います。


[ 2.5 点(5点満点)・ 1500 円(1800円基準)] 5点満点中2.5点 1500円
衛藤賢史のシネマ教室について…

“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。

星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)

【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動

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